ジャケット(英語表記)jacket

翻訳|jacket

デジタル大辞泉 「ジャケット」の意味・読み・例文・類語

ジャケット(jacket)

洋服で、腰丈程度の上着総称スーツ・背広の上着を単独で用いた場合にもいう。
レコード・本などの覆い。カバー
ボイラースチームパイプの、熱の放散を防ぐ被覆物。
[類語]ブレザーブラウスジャンパーブルゾンセーターカーディガンガウン上着羽織半纏上っ張りちゃんちゃんこ

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精選版 日本国語大辞典 「ジャケット」の意味・読み・例文・類語

ジャケット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] jacket )
  2. 洋服の上に着る上着の総称。袖付きで前あきのものが普通。ジャケツ。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「小倉織の平袴、羽毛(ごろう)の小掛(ジャケット)、手套風頒(てぶくろえりまき)」(出典:東京開化繁昌誌(1874)〈高見沢茂〉初)
  3. レコードを入れるボール紙、または、紙製のふくろ。レコードの曲名、解説、写真などが印刷してある。
    1. [初出の実例]「ジヤケットを拝見しただけでは、中のレコードの模様までは気がつかなかったものですから」(出典:悪魔の火祭(1959)〈高木彬光〉二)

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改訂新版 世界大百科事典 「ジャケット」の意味・わかりやすい解説

ジャケット
jacket

ウエスト丈から腰丈までの上着の総称で,一般には前明きで袖つきの外衣をいう。男女,子どもに広く用いられ種類は非常に多い。起源は中世のイギリスで広く用いられた,皮革と金属を要所につけて防護性を強めたウエスト丈の上着のジャックjack(jaque),あるいは16世紀に着用された,袖なしで肩におおい(ウィングズwings)がつくジャーキンjerkinとされている。しかし今日的な意味と形態でのジャケットが成立するのは19世紀で,イギリスでラウンジ・ジャケットlounge jacket,アメリカでサック・コートsack coatと呼ばれる背広型の上着が完成してからのことである。20世紀に入ると,成立当時の古典的な形態をとどめたものはモーニングコートのように礼服として定着し,より簡略になったものはオッド・ジャケットodd jacket(替え上着),スポーツ・ジャケットなど気軽な衣服として発達した。20世紀の後半になると,それまで軍服や作業服として用いられていたジャンパー型,シャツ型,アウター・ウェア(外衣)型などのジャケット類がとくに1970~80年代に街着化して種類も多くなり,一般に定着している。用途別には礼装用としてのモーニングコート,ディナー・ジャケット(タキシード,スモーキングともいう),メス・ジャケット(ウエスト丈の夏季用の準正装用)などがあり,特殊なものには狩猟用のシューティング・ジャケット(右胸にガン・パッチ,袖にエルボー・パッチがつく),釣り用のフィッシング・ジャケット,ホテルのボーイの着るベルボーイ・ジャケット(前面に飾りボタンがつく)などがある。現在のジャケットを形態上分類すると以下のようになる。

 (1)背広型 ブレザーノーフォーク・ジャケットハッキング・ジャケット(乗馬用で男女ともに用いられ,後ろに深いセンターベンツがある)など。(2)ジャンパー型 ブルゾン(裾にゴムやベルトをつけて伸縮性を出したもの),ランバー・ジャケット(大格子模様の厚手ウール地で仕立てた防寒着),バトル・ジャケット(背広衿,ウエスト丈でベルトつき)など。(3)シャツ型 シャツ・ジャケット(シャツ風ジャケットの総称),シーピーオー・ジャケットC.P.O.jacket(アメリカ海軍用の前がボタン留め,肩にエポーレットがある)など。(4)アウター・ウェア型 サファリ・ジャケット(サファリ用,四つポケットにベルトつき),パーカ(フードつきのゆったりした防風用外衣)など。
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百科事典マイペディア 「ジャケット」の意味・わかりやすい解説

ジャケット

男女とも着用するウエスト丈から腰丈までの袖つき,前あきの上着の総称。中世に男性の用いたジャックというウエスト丈の上着が変化したものとされ,18世紀ごろから女性も用いるようになった。ディナー・ジャケット,カーディガン,ノーフォーク・ジャケット,ジャンパー,ブレザー,ボレロなどの種類があり,あらゆる素材が使われる。

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