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ジャーギール ジャーギールjāgīr

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ジャーギール
ジャーギール
jāgīr

インド,ムスリム諸王朝のもとで臣下に与えられた一種の封土。原義はペルシア語で「土地」 jā,「取る」 gīrの意味。ムガル帝国以前はこのような封土はイクター呼ばれるほうが多かったようであるが,ムガル帝国時代以後一般的に用いられた。

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世界大百科事典 第2版の解説

ジャーギール【jāgīr】

インド,ムガル帝国時代の給与地。原語はペルシア語jā(〈場所〉の意)とgīr(gireftan〈取る〉の語根)からできた複合語。第3代皇帝アクバル時代中期の1570年代半ばに,徴税・軍制度の大改革が行われ,80年代以降に確立した制度では,軍人・役人の給与は原則としてジャーギールによって支払われることになった。ジャーギールを持つ者を〈ジャーギールダールjāgīrdār〉と呼ぶ。軍人・役人は位階づけられ,それぞれ個人ごとに年額給与が定められた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ジャーギール
じゃーぎーる
jgr

インド、ムガル帝国の給与地、知行地。ムガル皇帝は、皇族、高官から下級官吏に至るまで帝国の禄位(ろくい)(マンサブ)を与えて禄位保持者(マンサブダール)に任じたが、彼ら各人に禄位に見合う給与として与えられた土地がジャーギールで、受給者をジャーギールダールとよぶ。彼らはそれに相応した数の兵馬の維持と従軍の義務を負った。ジャーギールは原理的には封土(フィーフ)でも行政単位でもなく、その土地からの地租の収取権が与えられたにすぎず、行政は中央政府の正規の官吏によって行われた。またジャーギールは長くて3、4年間の保持を限度としてつねに所替えがなされ、受給者の土着化を防いだが、かえって農民に対する無責任な収奪を促したとされる。なお、特殊なものとして、帝国に服属、出仕する諸王に安堵(あんど)された所領をワタン・ジャーギールとよび、これは世襲であった。帝国衰退期には給与地世襲化傾向が強まり、独立国家が生まれたが、それらにおいても、また帝国内の諸王国においても、ジャーギール制は模倣された。なお、ジャーギール制は、デリー・サルタナットやムスリム諸国の給与地制(イクター制)を継承、発展させたものである。[長島 弘]
『松井透・山崎利男編『インド史における土地制度と権力構造』(1969・東京大学出版会) ▽佐藤正哲著『ムガル期インドの国家と社会』(1982・春秋社)』

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世界大百科事典内のジャーギールの言及

【ムガル帝国】より

…帝国領の各地には北インドも含め有力なヒンドゥー・ラージャ(王)がおり,彼らに対しては間接支配を行うのみであり,とくにラージャスターンではムガル支配層はラージャたちと同盟関係を結び,彼らの領域内の統治に介入しないことが普通であった。帝国領内の土地は給与地(ジャーギール)と政府領地(ハーリサ)とにほぼ大別されるが,大部分を占めるのはジャーギールであり,ここからあがる税収分は,部将・高官たちの帝国統治や軍務のための給与として与えられた。 ムガルの官僚はマンサブダーリー制によって組織された。…

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