ジュズネノキ(読み)じゅずねのき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュズネノキ」の意味・わかりやすい解説

ジュズネノキ
じゅずねのき / 数珠根木
[学] Damnacanthus macrophyllus Sieb. ex Miq.

アカネ科(APG分類:アカネ科)の常緑低木。オオバジュズネノキともいう。高さ1~2メートル、枝は二叉(にさ)状に分枝する。葉は1対ごとに退化し、大きい葉は広披針(こうひしん)形で長さ7~13センチメートル。刺針はごく短いか、ほとんど発達しない。4~5月、白色の花を2、3個ずつ腋生(えきせい)する。子房下位で4室、各室に1個の下垂する胚珠(はいしゅ)がある。果実は丸く、11~12月に赤く熟し、翌年の花の時期まで残る。愛知県以西の本州から九州に分布する。名は、根が数珠(じゅず)状に膨らむことによる。葉の形など変異が多くマルバジュズネノキが変種ナガバジュズネノキ近縁種として識別される。

[福岡誠行 2021年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジュズネノキ」の意味・わかりやすい解説

ジュズネノキ(数珠根の木)
ジュズネノキ
Damnacanthus indicus var. major

アカネ科の常緑小低木。アジア南部から東部暖帯亜熱帯に広く分布する。日本では東海地方より西の暖地木陰に生える。高さ 50cm内外で小枝の変化した針状のとげが葉の基部につく。根はじょうぶで,よく分枝する。ごくまれにじゅず状にふくらむことがあるのでこの和名がある。葉は対生し,卵形で長さ2~5cm,質は硬く深緑色で光沢がある。4~5月頃,葉腋に少数の白花をつける。花冠は長さ 15~18mmの細長い漏斗状で,上部は4裂する。果実は径 5mmほどの球形核果で,上部に萼裂片が残り越冬して紅熟する。

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