ジョーゼット(読み)じょーぜっと

デジタル大辞泉 「ジョーゼット」の意味・読み・例文・類語

ジョーゼット(Georgette)

縦糸・横糸とも強撚糸きょうねんしを用いた、薄手で縮みのある絹布ウール化繊のものもあり、夏の婦人服などに用いる。フランスの服地商ジョーゼット夫人にちなむ名。もと商標名。

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精選版 日本国語大辞典 「ジョーゼット」の意味・読み・例文・類語

ジョーゼット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] georgette フランスの婦人服商ジョルゼット夫人 Mdm. Georgette de La Plante の名にちなむ登録商標名から ) 経(たていと)、緯(よこいと)とも強撚糸(きょうねんし)を用いて、比較的荒く織った薄地平織物。ちりめん(クレープ)の一種。婦人服、ネグリジェベールなどに用いる。
    1. [初出の実例]「彼女はジョーゼットの贅沢な単衣(ひとえ)に、博多の帯をしめ」(出典:痩せた花嫁(1925)〈今東光〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「ジョーゼット」の意味・わかりやすい解説

ジョーゼット
georgette

絹織物の一種。経緯(たてよこ)糸ともに細い強撚糸を使った薄地の経緯ちりめんでクレープ・ジョーゼットジョーゼット・クレープともいう。名称はフランスの婦人服商Georgette de La Plante夫人の名前で登録されたことに由来する。平織,梨地が主で二重織もある。生(き)織物なので,織り上げたのち精練を行い,布面に〈しぼ〉を生じさせる。近年は綿,毛,レーヨンポリエステルのものや格子入ジョーゼット等多種に及ぶ。生地は透きとおる感じに,薄く軽いが腰のある硬さをもつ。無地やプリント染めをして夏季の婦人服地,帽子,室内装飾品などに用いられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョーゼット」の意味・わかりやすい解説

ジョーゼット
じょーぜっと

ジョルジェット・クレープgeorgette crêpe(フランス語)の俗称。経緯(たてよこ)とも強撚糸(きょうねんし)を使った薄地の縮緬(ちりめん)で、経緯縮緬ともいい、絹織物として生まれたが、現在では化合繊のものが多く市場に出回っている。経緯ともに1メートル間2500~3000回ぐらいの強撚糸を用い、経緯とも右撚(よ)りと左撚りのものを、2本ずつ交互に配列して平織に織り、織り上げたのち精練して、しぼを出した織物である。1913年、フランスで創始され、日本では桐生(きりゅう)と福井で織り出された。漂白したもののほか、無地染め、捺染(なっせん)などの加工を施し、ベール、肩掛け、ドレス、ランプシェード、カーテンなどに用いられている。

[角山幸洋]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョーゼット」の意味・わかりやすい解説

ジョーゼット
georgette

ジョーゼット・クレープともいう。経・緯糸に強撚糸を2本ずつ交互に使用した比較的密度の粗い平織,またはこれに類以した縮緬 (ちりめん) 効果を応用した織物。繊維は絹のほか,綿,羊毛,人造繊維を用いる。柄は無地,縦縞,格子,プリント模様。クレープ状の伸縮性としぼによる独特の材質感をもつ。用途は婦人服,ベール,ショール地。名称は,フランスの婦人服商ジョーゼット夫人の名に由来する。

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百科事典マイペディア 「ジョーゼット」の意味・わかりやすい解説

ジョーゼット

ジョーゼット・クレープの略。経緯(たてよこ)とも細い強撚(きょうねん)糸を用いた縮(ちぢみ)織の一種。本来は絹であるが近年は化繊,合繊も多い。普通は平織で無地染,プリント染にする。紋織や縫取りもある。薄地でしっかりしていて通気性があるため,夏の服地,帽子,カーテンなどにする。

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