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ステルス技術 ステルスぎじゅつ stealth technology

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ステルス技術
ステルスぎじゅつ
stealth technology

軍用機やミサイルが敵に発見されないようにする隠密技術。兵器にとってステルス技術は,有効性および生存性を高めるために必要不可欠な技術である。手段としては,機体を小さくしたり,騒音を減らしたり,エンジンその他の熱源から出る赤外線を抑えたり,機体表面のレーダ反射を少なくすることなどがある。

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デジタル大辞泉の解説

ステルス‐ぎじゅつ【ステルス技術】

《stealthは隠密の意》電波を吸収する塗料を使ったり、電波の反射を少なくする形状にしたりして、レーダーによる探知を困難にする技術。航空機・ミサイルの製造に応用。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ステルス技術
すてるすぎじゅつ
stealth technology

軍事技術の一種で、航空機、艦艇、車両などを敵から探知されないようにする技術。1991年1月の湾岸戦争で米軍のF-117ステルス戦闘機(2008年4月退役)が大活躍したことでステルス技術が一躍脚光を浴びたが、第二次世界大戦のころからある技術である。たとえば雪原で戦闘する戦車を白く塗装し、敵から発見されにくくするカムフラージュや兵士が迷彩色の戦闘服を着用するのも初歩的なステルス技術といえる。しかし一般的にはレーダー、赤外線、音響センサーなどの兵器に探知されないようにする技術をさしている。
 F-117戦闘機のレーダー波反射率はF-15戦闘機に比べて1000分の1といわれるが、航空機がレーダーから探知されにくくするためにはレーダー断面積(RCS)といわれるレーダーに映る機体面積を技術的に少なくすればよいことになる。そのためには、2005年から配備が開始された第五世代戦闘機といわれるF-22戦闘機のように、機体全体を複雑な曲線と平面で組み合わせ、さらに継ぎ目を極力少なくさせるか、F-117戦闘機のように平面の多面体で機体を構成し、垂直尾翼を垂直に取り付けずに傾斜させたり、あるいはB-2ステルス爆撃機のように無尾翼の全翼機型にする方法がある。また翼の後縁を直線的にしないで、菱形(ひしがた)のような形にする。こうすることでレーダー波はかなり拡散されてしまう。またエンジンのタービンはレーダー波をよく反射するので機体奥部に搭載し、正面から見えにくくする方法もとられている。
 機体の外部形状によってレーダーに映りにくくする方法のほかに、機体の表面にレーダー波吸収塗料を塗ったり、あるいはレーダー波を反射しない複合材料を使用したり、さらに機体を、レーダー波を減退させるレーダー波吸収構造にする方法もある。また機体外部に爆弾やミサイルを搭載するとレーダーに映りやすくなるので、兵器類も機体内部の爆弾倉に格納する方法(B-2爆撃機、F-22戦闘機)や、赤外線ミサイルからも捕えられにくいようにエンジンの排気ガスを冷却して機外に放出する方法がある。現在の戦闘機はこうしたステルス技術のいくつかを組み合わせている。ヘリコプターも機体構造の複合材化、エンジン排気の冷却化、回転翼の風切り音の静粛化、搭載兵器を機体内に格納する各種ステルス化が進んでいる。
 ステルス戦闘機は性能的には優れているが、その製造費(F-22戦闘機は一機1億4260万ドル)や維持費が高いのが難点である。米国防総省は調達費の高騰から2009年にF-22戦闘機の製造停止を発表している。
 シルエットが大きい水上艦艇のステルス技術は航空機に比べてむずかしいが、音響センサーの探知を逃れる方法としてエンジン音の静粛化がある。一つはエンジンそのものの静粛化であり、もう一つはエンジンを直接船体に固定せずに防音用のエンジンマウントに搭載する方法である。赤外線センサーの探知を防止するためにエンジンの排気ガスを冷却してから排出する方法がとられている。また船体の形そのものもレーダー波を反射しにくいように表面をなるべく平面化し、艦橋構造なども傾斜角がつけられている。搭載兵器も船体上にたくさん並べると電波をよく反射する原因になるので、船内に収納する方法がある。米海軍は1985年から2006年にかけて排水量560トンのステルス実験艦シー・シャドーSea Shadowを使用して、艦艇のステルス化研究を行った。1991年から就役しているアーレイ・バークArleigh Burke級駆逐艦はステルス技術を取り入れている。また米海軍はさらに本格的なステルス艦であるズムウォルトZumwalt級ミサイル駆逐艦(排水量1万4800トン)を建造(一番艦は2015年就役)している。同駆逐艦の船体はステルス性を考慮し、水面上は船体構造が内側に傾斜して、艦橋や煙突などの構造物がこのなかに納められ、従来の艦艇と比べて外見上からも大きな違いをみせている。ステルス艦艇の嚆矢(こうし)となったのは2005年に就役したスウェーデン海軍のビスビーVisby級ミサイル哨戒(しょうかい)艇(排水量640トン)で、これまでの艦艇のイメージを一新する画期的なデザインとなっている。艦橋はピラミッド型で、船体は複合材でできているうえに表面にはレーダー波吸収塗料が塗られている。いまやミサイルにもステルス技術が取り入れられているように、兵器とステルス技術は切っても切れない関係となっている。[宮岡千代道]

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