ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スメリー」の意味・わかりやすい解説
スメリー
Smellie, William
[没]1795.6.24. エディンバラ
イギリス,スコットランドの編集者,博物学者。『ブリタニカ百科事典』 (3巻,1768~71) の初版編纂者とされ,フランスの著名な博物学者 G.ビュフォンの『博物誌』の翻訳家としても知られる。グラマー・スクール卒業後,印刷工となり,かたわらエディンバラ大学に学ぶ。熟練印刷工として修業を積む一方,著名な学者や同時代人と交友を深めた。 1760年ニュートン協会を設立。 1765年銅版画家 A.ベルから『ブリタニカ百科事典』の編纂,出版を依頼され,200ポンドで請け負い刊行に成功。 1781年エディンバラ自然史博物館館長。主著『博物学の哲学』 The Philosophy of Natural History (90~99) 。
スメリー
Smellie, William
[没]1763.3.5. ラナーク
イギリスの産科医。産科および助産を科学的に教えた最初の人。地方で 20年診療にあたったのち 1739年,ロンドンで開業。学生の実習を条件に貧しい婦人には無料で助産したことから,従来,産婆の経験のみに頼っていた出産に,医学的訓練を受けた人が必要とされるようになった。また助産の技術や器具も創案し,逆子の分娩法や産科鉗子などにその名を残している。著書に"Anatomical Tables" (解剖表) ,"Treatise on the Theory and Practice of Midwifery" (産科学の理論と実際) などがあり,前者は江戸時代に日本に入って産科に少なからぬ影響を与えた。
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