スライド(英語表記)slide

翻訳|slide

デジタル大辞泉 「スライド」の意味・読み・例文・類語

スライド(slide)

[名](スル)
滑ること。滑らせること。
ある数量に従ってある数量を増減させること。「賃金物価スライドさせる」
内容を変えずに全体をそっくりそのままずらすこと。「番組を30分後ろにスライドさせる」
映写機を用いてポジフィルムを拡大して映し出すこと。幻灯。また、そのポジフィルム
スライドグラス」に同じ。
コンピューターディスプレーに表示したり、プロジェクターで投影するためのプレゼンテーションソフト用の画像データ。
[類語](1滑る滑走横滑りスリップスライディング/(4)(6映画シネマキネマ活動活動写真幻灯銀幕ムービーフィルムスクリーンサイレント映画無声映画トーキーアニメーション

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精選版 日本国語大辞典 「スライド」の意味・読み・例文・類語

スライド

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] slide )
  2. ( ━する ) 横ざまになめらかにすべること。また、そのようにすべらせること。抽象的な事柄についてもいう。「登板ピッチャーがスライドした」
    1. [初出の実例]「優美なスライドと敏速なカットを交えた進行が再び旋回に返って行く」(出典:青年の環(1947‐71)〈野間宏〉色彩)
  3. ( ━する ) ある数量、比率に対応させて、他の数量を変えること。
    1. [初出の実例]「これにインフレの昂進度その他を参考にし、組合と会社が交渉してその都度スライド(比例)して行く」(出典:鉛筆ぐらし(1951)〈扇谷正造〉サラリー白書)
  4. トロンボーンのような金管楽器で、二重管の滑動によって音程を変える装置。ポルタメントが付き、一つの音から他の音へなめらかに音程が進行する。
  5. スライドグラス
  6. 幻灯(げんとう)幻灯機スライド映写機スライドプロジェクター。また、幻灯機用のポジフィルム。透明陽画
    1. [初出の実例]「電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為は」(出典:公職選挙法(1950)一四三条)
  7. スライディングシート
    1. [初出の実例]「ぼくは、愈々、あなたを忘れねば、と繰返し、オォルに力を入れて、スライドを蹴ってゐたときです」(出典:オリンポスの果実(1940)〈田中英光〉一三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スライド」の意味・わかりやすい解説

スライド
すらいど
slide

教室や会議室などで、多人数を対象としてディスプレーされるポジフィルム。フィルムの大きさは35ミリ判、4×4センチ判、6×6センチ判、6×7センチ判などがあり、ガラス板または紙枠にマウントされている。長巻きスライドといわれるものは35ミリフィルムそのもので、巻軸に巻き込んだまま使用される。

 スライドを映写する映写機は、古くは幻灯機といわれたが、現在はスライド映写機とよばれ、簡便な小型機から、自動こま送り・音声同調装置をもった高級機まで種類が多い。リモート・コントロールによって、こま送りや焦点調節、テープレコーダーとの連動が可能な映写機を用いると、教師や指導者はスクリーンと黒板を併用し、より効果的な説明に用いることができる。

 視聴覚教材のなかでは、とくに視聴覚センター・ライブラリーをはじめとする社会教育施設、学校教育、家庭教育の場で、スライドの利用度は高い。しかし、高密度の撮影が可能なデジタルカメラと、パーソナルコンピュータおよび大型プロジェクターの普及に伴い、少しずつではあるが、暗幕をしなければ使えないスライドの活用が隅に押しやられている傾向もある。なお、プレゼンテーション用パソコンソフトの質が向上したことで実際の利用も増え、「スライド」といった場合にはそうしたソフトの「一画面」をさす意味にも使われるので注意が必要である。

[篠原文陽児]

『日本視聴覚教具連合会編・刊『視聴覚機器ガイドブック』各年版』『西沢利治著『マルチメディア・プロダクション・ガイド』(1991・ぎょうせい)』


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改訂新版 世界大百科事典 「スライド」の意味・わかりやすい解説

スライド
slide

透明陽画diapositive(positive transparency)ともいう。透明支持体上に陽画として仕上げた写真で,通常この透明陽画をプラスチック,厚紙などのマウント(枠)に挟み,スライド映写機に入れて映写スクリーン上に投影して観察する。一般写真撮影でスライドを作るには,カラー反転フィルム,または黒白のスライド用反転フィルムを使って撮影し,現像処理を行って仕上げる。また,各種図面,表,説明資料などをスライドに仕上げて教育,宣伝その他発表に使うことが多い。図面,表,印刷物などをスライドに仕上げるには,原稿をカラー,または黒白反転フィルムで撮影して仕上げるが,色彩のない図表,印刷物を原稿とする場合は黒白複写用フィルムで撮影してネガを作り,このネガをジアゾフィルムに焼き付けて単色(通常は青)のネガ像に仕上げる。ネガ像のほうが映写したときに観察しやすい。スライドは視聴覚システムとして重要な役割をもっている。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「スライド」の意味・わかりやすい解説

スライド

透明な支持体の上に陽画として仕上げた写真。ポジフィルムともいう。一般には1こまずつ紙製またはプラスチック製などの枠(わく)(マウント)にはめたものをさし,映写機でスクリーンに写して観賞する。白黒とカラーとがある。1本のフィルムのまま連続したものはストリップと呼ぶ。
→関連項目幻灯

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スライド」の意味・わかりやすい解説

スライド
slide

映写用の透明陽画。一般にマウントと呼ぶ厚紙の枠にはさんで使用する。マウントの大きさは,35ミリ判フィルムでは2インチ (5.08cm) 角を国際基準としており,ほかに 6cm× 7cm判,4cm× 4cm判などがある。なお,教育,宣伝用にはストリップ・フィルムと呼ばれるマウントなしの長巻フィルムに,数十コマを連続して焼付けたものもある。

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世界大百科事典(旧版)内のスライドの言及

【キャッツキル山地】より

…深い峡谷や滝などがあり,起伏に富んでいるが,山地は森林におおわれている。最高峰はスライド山(1281m)で,デラウェア川の源流がここにある。ニューヨーク市から比較的近いので,夏・冬のレクリエーション地域となっている。…

【修羅】より

…その南の応神陵をはじめとする5世紀の古市古墳群の大規模な土木工事はこのような巨大な石材運搬具を用いた大工事であったことを実感させる遺品である。【坪井 清足】(2)林業では,数本の丸太を急な谷筋に沿って凹管状に並列した運材用滑路を修羅chute(またはslide)という。地形の関係で曲線部が生ずる場合減速して方向転向させるための設備や,終点部で減速停止させるための設備が必要である。…

※「スライド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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