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スル諸島 スルしょとうSulu Archipelago

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スル諸島
スルしょとう
Sulu Archipelago

フィリピン南西部の島群。ミンダナオ島西方からボルネオ (カリマンタン) 島にかけて北東-南西に連なり,スル海セレベス海を分ける。火山活動とサンゴ礁によって形成された約 1000の島から成り,おもな島はバシラン島ホロ島タウィタウィ島,シブトゥ島。行政的にはバシラン州,スル州タウィタウィ州に分れる。早くから中国やマレー半島と交易しており,15世紀中葉にはホロを都とするイスラムの王国が形成された。スペインの植民に抵抗を続けたが,1913年アメリカ軍に制圧され,40年スルタン制を廃棄した。人口の約 30%がイスラム教徒である。漁業が主産業で,魚介類のほか装飾用貝殻,真珠母貝,サンゴ,サメのひれ,ナマコ,ウミガメの卵などが採取され,真珠養殖も行われる。これら海産物の細工も盛んである。農業はバシラン島,ホロ島以外はみるべきものがなく,イネ,キャッサバ,ココヤシなどが栽培されるが,食糧を自給できない。主都はホロ。面積 2688km2。人口 55万 5239 (1980) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スル諸島
するしょとう
Sulu Archipelago

フィリピン南西部、ミンダナオ島南西部からボルネオ島北東部へ約320キロメートルにわたって連なる島群。人口54万(2000)。より現地音に近い正確な表記はスルー諸島またはスールー諸島となる。なかにバシラン島、ホロ島、タウイタウイ島の3島などを含む。フィリピン群島を形成する構造線の一つである北東から南西に走る海中の堆(たい)の上にサンゴ礁が発達したものと、火山活動による溶岩や火山砕屑(さいせつ)物が堆積したものがある。ここのサンゴ礁はフィリピンでは代表的なものである。島列はかつてはミンダナオ島とボルネオ島を結ぶ陸橋を形成していたと思われるが、その後陥没して小島群に分けられた。各島の海岸線の出入りは大きい。
 住民は「モロMoro」と総称されてきた複数の民族集団(タウスグ、サマなど)を主とし、スペイン植民地時代もキリスト教化されずにそれ以前からのイスラム教を信じて現在に至っている。ただし、「モロ」は蔑称(べっしょう)として用いられてきたので、好ましい呼称ではない。彼らは航海や商業に長じ、かつては海賊活動を行い、15世紀から19世紀にはイスラムの王国であるスル王国が栄えた。また、フィリピンからの分離独立を要求し、長らく政治的に不安定な地域となっていたが、1996年のモロ民族解放戦線と政府との和平協定により、この地域でのムスリム(イスラム教徒)の自治が認められた。住民は米、トウモロコシ、キャッサバなどの食糧作物を栽培するほか、近海での漁業に従事する。中心地はホロ島のホロ。[別技篤彦]

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