バシラン島(読み)バシラントウ(その他表記)Basilan Island

デジタル大辞泉 「バシラン島」の意味・読み・例文・類語

バシラン‐とう〔‐タウ〕【バシラン島】

Basilan Island》フィリピン南西部、スールー諸島北部の島。周囲小島とともにバシラン群島を構成し、バシラン州に属す。大部分森林に覆われ、ココヤシ天然ゴム木材などを産する。イスラム教徒が多く居住。かつてイスラム原理主義アブサヤフの活動拠点があった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バシラン島」の意味・わかりやすい解説

バシラン島
ばしらんとう
Basilan Island

フィリピン南部、ミンダナオ島サンボアンガ半島南西端に隣接する島。地形的にはスル諸島に属し、付近の約50の小島とバシラン群島(人口32万6000、2000)を構成する。面積1373平方キロメートル。新期火山岩からなり、山がちで最高点は1013メートル。全島が森林に覆われ、装飾用硬材を産する。20世紀に入り、アメリカ資本による木材会社やゴム園が開かれた。住民はサマ人が多数を占め、おもに漁業を営んでいる。イスラム教徒が多く、モロ民族解放戦線の拠点でもある。バシラン海峡を隔ててミンダナオ島のサンボアンガと対する北端のバシランは木材、農産物集散地となっている。

[別技篤彦]

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改訂新版 世界大百科事典 「バシラン島」の意味・わかりやすい解説

バシラン[島]
Basilan Island

フィリピン南部,スールー諸島北端に位置し,諸島中最大の島。面積1282km2。サンボアンガ市の沖合17kmの地点に浮かび,最高峰バシラン山(標高1011m)のほかに20ヵ所にも及ぶ山頂が認められる複成火山島である。原住民はイスラム化したヤカン族で,中央政府の支配下に入ったのは20世紀に入ってからである。平坦地に欠けるが,山麓緩斜面,小河谷,沿岸低地には風化の進んだ沃土の堆積があり,ゴムのプランテーションがみられる。全島が熱帯雨林に覆われ,良質の木材を産する。北岸にある島内最大の町イサベラIsabelaは製材の町である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バシラン島」の意味・わかりやすい解説

バシラン島
バシランとう
Basilan Island

フィリピン,ミンダナオ島の南西部,サンボアンガ半島の先端沖にある島。周辺の小島とともにバシラン州を構成する。多数の火山があり,熱帯雨林が全島をおおうが,地形は比較的ゆるやかである。イスラム教徒のヤカン族が住んでいたが,20世紀に入り,ビサヤ諸島から大量のキリスト教徒が移住し,ゴムのプランテーションと林業が発達。ヤカン族は内陸の高地でココヤシ,イネ,トウモロコシ,マニラアサ,コーヒーなどを栽培している。主要港は北岸のバシラン (旧イサベラ) で,州都でもある。州面積 1327km2。州人口 20万 1407 (1980) 。

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