セル(英語表記)cell

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デジタル大辞泉 「セル」の意味・読み・例文・類語

セル(cell)

小部屋の意》
細胞
スプレッドシート表計算ソフト)の、ます目の一つ。
携帯電話PHSなどの移動体通信における、基地局の電波が届く範囲(通信可能エリア)のこと。
電池。「フューエルセル(=燃料電池)」
セルモーター
降水セル」の略。

セル

オランダ語の「セルジ」を「セル地」と解したところから》主に梳毛糸そもうしを使った平織り、または綾織りの和服用毛織物。セル地。 夏》「―着れば風なまめけりおのづから万太郎

セル(cel/cell)

《celluloid(セルロイド)の略》アニメーションの原画を描くための、セルロイド製の薄い透明シート

セル(sell)

売ること。販売。「セル用の品」

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精選版 日本国語大辞典 「セル」の意味・読み・例文・類語

セル

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cell )
  2. 細胞。また、小房、小室、小箱。
    1. [初出の実例]「この砦内部のビンバン細胞(セル)の工作はひそやかで深いので」(出典:輝ける闇(1968)〈開高健〉)
  3. 光化学反応・電気化学反応を行なっている物質を収容した容器。転じて、電池や電解槽(そう)そのものをさしていう。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
  4. コンピュータで、スプレッドシート(表計算ソフト)の集計の単位。表を構成する一つ一つのます目をいう。

セル

  1. 〘 名詞 〙 ( 「セルジ」を「セル地」と解してその「地」を略した語 ) 梳毛(そもう)糸を平織または綾織、斜子(ななこ)織にした薄地の毛織物。綿・絹を用いた交織もある。和服用の着尺地(きじゃくじ)などに多く使われた。セルジ。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「紋付の袷羽織を着たるもあれば精縷(セル)の背広なるもあり」(出典:金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉中)

セル

  1. 〘 名詞 〙
  2. セルロイド」の略。
  3. 特に、アニメーション製作用の透明なシートをいう。「セル画

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改訂新版 世界大百科事典 「セル」の意味・わかりやすい解説

セル

梳毛(そもう)織物の一種。単(ひとえ)の和装地で1899年,愛知県下で初めて織られた。セルはサージsergeが語源らしいが別種。平織がほとんどで二幅(75cm)に織って用いた。一部に綾や斜子(ななこ)織がある。経緯糸ともに梳毛双糸使い,緯糸のみに単糸使いがあり,とくに撚搦糸(よりからみいと)(杢糸(もくいと)),強撚糸(きようねんし)が多用されるのが特徴である。しわになりにくく着やすいため平常の合着に向く。無地,縞,霜降り,みじん柄が多い。解絣(ほぐしがすり),経絣,緯絣,抜染など,特殊な技法のものもある。着尺のほかに袴地,コート地に使われる。セル機業は愛知県を中心に発展し,大正から昭和13年ころまで大流行が続いた。ほかに袷(あわせ)着尺用のウールラインや白加工地のアムンゼン,綿セル,絹セルなど種々あった。現在もわずかであるが市場にみられる。
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セル
George Szell
生没年:1897-1970

ハンガリー出身のアメリカの指揮者。ウィーンで育ち,青年時代は作曲もしたが,やがて指揮活動に専念するようになる。1920年代はベルリン国立歌劇場指揮者およびベルリン高等音楽学校教授として活動。第2次世界大戦の勃発と同時にアメリカに移る。42年から約5年間メトロポリタン歌劇場の指揮者を務めたのち,46年クリーブランド管弦楽団の音楽監督となり,没年までこの地位にあった。なお69年からニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団の芸術顧問兼客演指揮者でもあった。古典派,ロマン派の作品に加えてバルトークやW.ウォルトンの作品の演奏にも定評があった。1970年に来日。
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ASCII.jpデジタル用語辞典 「セル」の解説

セル

表計算ソフトのワークシートを構成しているマス目のこと。1つのセルに1つのデータを保存する。セルには文字、数値、計算式、マクロなどのさまざまな内容が保存できる。これによって、セル同士の依存関係や計算を自動化できる。特定のセルを指定するには「行」と「列」で指定したセルアドレスを用いる。たとえば、Excelでは、列はアルファベット、行は数値で表されており、2列目の10行にあるセルは、「B10」と表現される。

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百科事典マイペディア 「セル」の意味・わかりやすい解説

セル

薄地の梳毛(そもう)織物の一種。サージをセルジと読んだことから転化した語という。平織で縞(しま),格子,絣(かすり),霜降りなどが多く,2幅(75cm)の着尺地に織る。軽くてしわにならず,保温性があるので,単(ひとえ)の着物,羽織,コート,袴(はかま)などにする。

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パソコンで困ったときに開く本 「セル」の解説

セル

エクセルなどの表計算ソフトでワークシート内の文字や数字を入力する枠1マス分のことです。また、ソニー・コンピュータ・エンターテインメント社が米IBM、東芝と協力して開発したCPUの名称でもあります。
⇨表計算ソフト、ワークシート

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DBM用語辞典 「セル」の解説

セル【cell】

全体を構成している中の一つのグループ(部屋)。調査業界では、調査に使われる標本グループの構成要素。コンピュータ業界では一つのスクリーン画面の縦と横で区切られたマス目などを指す。

出典 (株)ジェリコ・コンサルティングDBM用語辞典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「セル」の解説

セル

米国の作家スティーヴン・キングのベストセラー長編ホラー小説(2006)。原題《Cell》。

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パラグライダー用語辞典 「セル」の解説

セル

機体の構造のひとつ。リブで仕切られた1ブロックの単位。

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世界大百科事典(旧版)内のセルの言及

【毛織物】より

…これら企業の新工場では力織機の普及が進んで国内のモスリン生産は著しく増加し,第1次大戦(1914‐18)直前には輸入モスリンを駆逐するほどになった。モスリンの流行によって和服用セル(セルジス)の需要も高まり,愛知県の尾西地方でセル生産が盛んになった(〈尾西織物〉の項参照)。ついで第1次大戦中はヨーロッパからの毛織物輸入が途絶えたうえ,ロシアからの軍需用服地の大量注文もあって,毛織物工業はいっそう発展した。…

※「セル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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