センダイハギ(読み)せんだいはぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「センダイハギ」の意味・わかりやすい解説

センダイハギ
せんだいはぎ / 千代萩
[学] Thermopsis lupinoides (L.) Link

マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。茎は直立し、高さ40~90センチメートル。葉は3小葉が掌状につき、小葉は卵形ないし倒卵形で長さ5~7センチメートル、裏面に白い軟毛がある。葉柄基部には、大形で葉状托葉(たくよう)をつける。5~8月、茎頂総状花序を出し、黄色の蝶形花(ちょうけいか)を多数開く。花は長さ約2.5センチメートル、雄しべは離生する。豆果線形扁平(へんぺい)、長さ7~11センチメートル、裂開して10~15個の種子を飛ばす。海岸に生え、北海道、中部地方以北の本州、および東アジア、北アメリカ北部の温帯に分布する。名は、歌舞伎(かぶき)の『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』にかこつけて、仙台市に生える萩の意味でつけられたという。

[立石庸一 2019年10月18日]


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改訂新版 世界大百科事典 「センダイハギ」の意味・わかりやすい解説

センダイハギ
Thermopsis lupinoides (L.) Link

海岸に多いマメ科の多年草。5~8月に黄色の蝶形花を開く。和名は歌舞伎の《伽羅(めいぼく)先代萩》から北地仙台に転じて,仙台萩の意であるという。茎は直立し,高さ40~80cm,地下に太い根茎がある。葉は掌状に3枚の小葉をつけ,基部に大型の托葉がある。小葉は卵形,楕円形または倒卵形で長さ5~7cm。托葉は小葉に似ており,長さ3~4cm。花は茎の先に多数がついて,総状花序をつくる。花の長さ2~2.5cmで,10本の離生したおしべがある。果実は扁平な広線形の豆果で,7~11cm,10~15個の種子を入れ,熟すと裂開する。本州中部以北と北海道に生え,東アジアと北アメリカ北部の温帯に分布する。
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百科事典マイペディア 「センダイハギ」の意味・わかりやすい解説

センダイハギ

北海道,本州中北部,東アジアに分布し,海岸砂地などにはえるマメ科の多年草。茎は根茎から直立して,ときに分枝し,高さ80cmに達する。葉は倒卵形,長さ5〜7cmの小葉3枚からなり,基部にやや大型の托葉を1対つける。夏,茎頂に花穂を出し,長さ25mm内外の黄色の蝶(ちょう)形花を多数つける。仙台以北の地でしばしば大群落をつくって目立つためか,歌舞伎の《伽羅先代萩》にちなんで名づけられたという。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「センダイハギ」の意味・わかりやすい解説

センダイハギ(千代萩)
センダイハギ
Thermopsis lupinoides

マメ科の多年草で,北アメリカやアジアなど北半球の冷温帯に広く分布する。日本では本州中部以北,北海道などの海岸砂地に生える。草丈 40~90cm,直立し分枝は少い。葉は互生し3出複葉,基部に大型で葉状の托葉が1対ある。5~7月に茎頂に総状花序を出し,長さ 2cmあまりの濃黄色の蝶形花をつける。豆果 (莢) は平たい線形で長さ 8cmぐらいとなり,中に茶褐色の種子を 12~15個含む。

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