翻訳|Somaliland
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アフリカ北東部、アデン湾とインド洋に面する地域。サイの角(つの)の形をしていることから「アフリカの角」とよばれる。かつてのフランス領ソマリランド(現ジブチ)、イギリス領ソマリランド(現ソマリア西半)、イタリア領ソマリランド(現ソマリア東半)の範囲で、エチオピアのオガデン地方、ケニア北東部を加える場合もある。大部分が乾燥地帯で、遊牧民の多いソマリ人が住む。7世紀以後アラビア半島のイスラム教徒が渡来し、のちトルコの支配下に入り、19世紀にはエジプトの属領となった。1880年代にフランス、イギリス、イタリアが相次いで進出し、それぞれ保護領とした。1960年イギリス領とイタリア領は合併して独立しソマリア共和国となったが、フランス領は1977年国民投票でジブチ共和国として独立した。ソマリアはエチオピアに対しオガデン地方の返還を求め、しばしば紛争を起こし戦争状態が続いている。この地域は、中近東からインド洋へ抜ける重要な石油輸送路に位置するうえ、ソマリア、エチオピアへのアメリカとソ連の思惑が絡み問題は複雑化していた。また、近年干魃(かんばつ)とイナゴの大群の襲来が続き、戦争の長期化とともに難民が生じ、新たな問題もおこっている。
[青木澄夫]
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…アデン湾の南岸からインド洋沿岸にかけて,かぎ形に展開する国土をもち,〈アフリカの角(つの)〉地域の主要部分を構成している。1960年6月に北部のイギリス領ソマリランドが独立し,つづいて同年7月に南部のイタリア信託統治領ソマリランドが独立すると,これと合邦してソマリア共和国(1969年にソマリ民主共和国と改称)となった。国名はいかにも牧畜国らしく,〈乳を搾る〉を意味する〈ソマール〉に由来する。…
…焚(ふん)香料で,たけば黒煙を出し,はじめは香気が薄いが,やがて白煙をあげ芳薫となる。主産地はソマリランドとアラビア南部ハドラマウト地方。没薬(もつやく)とともに古代オリエント,エジプトの代表的香料で,テオフラストス《植物誌》,大プリニウス《博物誌》にも記載が見える。…
※「ソマリランド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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