Horn of Africa。エチオピア,エリトリア,ジブチ,ソマリアから構成され,インド洋と紅海に接するアフリカ大陸東部の地域。その形状がサイの角に似ていることから,このように呼ばれる。住民はアムハラ族,ティグレ族,アゴウ族,オロモ族(ガラ族),シダモ族,ソマリ族など複雑な民族構成をもち,宗教的にもイスラム教徒とキリスト教徒が混在している。エチオピア以外は19世紀にイタリア,フランス,英国に植民地化され,独立後も多民族が併存する状況(エチオピア,ジブチ)や単一民族が分断された状況(ソマリア)が残存しているため,紛争が絶えない。とくにソマリ族の居住地域の統一を目指してきたソマリアと,ソマリ族が多く居住するオガデン地域を自国内に抱えているエチオピアとの紛争は,1960年のソマリア独立以後断続的に起こり,1977年―1978年のオガデン戦争ではエチオピアへのソ連,キューバの大規模軍事援助が国際的な注目を集めた。また1962年にエチオピアの一州として併合されたエリトリアでも独立回復をめざす武装解放闘争が開始され,1993年のエリトリア独立でようやく紛争は解決した。ソマリアでは1990年代に入って内戦が激化し,旧英領であった北部が1991年にソマリランド共和国として分離独立を宣言するなど,情勢は深刻化した。国連は1992年12月国連ソマリア活動(UNOSOM)による平和維持活動(PKO)に乗り出したが効果がなく,1993年5月に派遣された平和執行部隊も目的を達成できずに撤退した。 →関連項目ソマリランド|中東