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タタ Tata, Jamsetji Nasarwanji

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タタ
Tata, Jamsetji Nasarwanji

[生]1839.3.3. インド,ナブサーリ
[没]1904.5.19. ドイツ,ナウハイム
インドの実業家。ボンベイのエルフィンストン・カレッジで学んだのち,1858年父のもとで綿花貿易に従事。 1872年以降ナーグプール,ボンベイなどに近代的な綿織物工場を設置,労働者保護政策や上質な繊維の導入を行ない,綿業界にゆるぎない地位を確立した。さらにボンベイに水力発電所を計画 (1910タタ水力発電) ,1901年インド初の大規模な鉄鋼業 (1907タタ鉄鋼) の創設により,インドの重工業界に支配的位置を占めるタタ財閥の基礎を築いた。二人の息子に引き継がれた繊維,鉄鋼,電力,化学薬品,農機具,機関車,セメント工業などはインド有数の企業となっている。そのほか,バンガロールのインド科学研究所の前身となる研究施設の設置をはじめ,ロンドン大学やロンドン政経大学への社会学部創設,ボンベイ癌研究所や白血病病院の建設に尽力し,ヨーロッパへの留学生のための奨学金制度を設けた。

タタ
Tata, J.R.D.

[生]1904.7.29. フランス,パリ
[没]1993.11.29. スイス,ジュネーブ
インドの実業家。フルネーム Jehangir Ratanji Dadabhoy Tata。インド初の航空会社を設立し,インド最大の財閥であるタタ財閥を飛躍的な成長に導いた。インドの裕福な家庭に生まれたが,母親がフランス人であったため幼少期をフランスで過ごし,フランス語を母語とした。フランス航空界確立の立役者ルイ・ブレリオと出会ったことで飛行機に興味をいだき,生涯にわたり情熱を注いだ。フランス,日本,イギリスで学んだのち,1年間フランス軍に所属。ケンブリッジ大学で工学を学ぶ予定だったが,1925年にインドに呼び戻され,曽祖父ジャムシェトジー・N.タタが 1868年に設立したタタ財閥の事業経営に参加した。帰国後 1年を待たず父が死亡し,財閥の持株会社タタ・サンズの取締役に就任した。1929年にフランス国籍を放棄。1932年に,カラチアーメダバード,ボンベイ(ムンバイ),マドラス(チェンナイ)を結ぶ運送会社タタ・エアメールを設立した。1938年,役員会最年少の 34歳でタタ財閥会長に就任。運送会社をタタ航空と改名し,インド初の航空会社を立ち上げた。1946年には,急成長を遂げたタタ航空をエア・インディアに改称。以後半世紀以上にわたり,鉄鋼,電力,ホテルなどの既存事業の強化に加え,経営多角化を推進し,化学,自動車,医薬,金融サービス,情報技術などの分野に進出した。1953年のエア・インディア国有化に伴って同社社長に就任し,1978年まで務めた。1991年に 87歳でタタ・サンズの事業経営から引退。財閥の傘下企業は 80社以上に上り,利益は年間約 40億ドルに達した。国内の科学,医学研究や芸術活動を振興するため,さまざまな施設の設立を支援した。1992年,インドの市民最高位の栄誉,バラト・ラトナ賞を授与された。

タタ
Tata, Ratan

[生]1937.12.28. ボンベイ
インドの実業家。フルネーム Ratan Naval Tata。ムンバイに本拠を置くタタ財閥の会長を 1991~2012年に務めた。インドの著名な実業家一族に生まれ,1962年アメリカ合衆国のコーネル大学で建築学の学位を取得。インドに帰国後,財閥傘下の企業で経験を積み,1971年にナショナル・ラジオ・アンド・エレクトロニクスの取締役に就任。1981年に持株会社タタ・インダストリーズの会長に就任し,1991年には叔父 J.R.D.タタのあとを継ぎ,タタ財閥会長の座についた。会長就任後は積極的な事業拡大に取り組み,グローバル展開に注力した。2000年にロンドンの紅茶会社テトリー・ティーを 4億3130万ドルで買収,2004年には大韓民国(韓国)の大宇自動車(→大宇)トラック部門を 1億200万ドルで買収した。2007年には,インド企業による過去最大の企業買収となる,タタ・スチールによるイギリス・オランダ合弁鉄鋼メーカー,コーラス・グループの 113億ドルの買収を行なった。2008年タタ・モーターズに,高級車ブランドのジャガーとランドローバーフォード・モーターから 23億ドルで買収させた。2009年には,タタ・モーターズから低価格の小型自動車「ナノ」を発表し注目を集めた。2012年12月,会長職を辞任した。2008年に,権威ある市民賞のパドマ・ビブーシャン賞をインド政府から授与されるなど,数々の栄誉を受けた。

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デジタル大辞泉の解説

タタ(Tata)

ハンガリー北西部の町。湖や泉が多く「水の都」と称され、14世紀以降は王侯貴族の狩猟地、保養地として知られた。ウレグ湖畔には15世紀初めに築かれたタタ城エステルハージ家の宮殿などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タタ
たた
Jehangir Ratanji Dadabhai Tata
(1904―1993)

インドのタタ財閥の継承・発展者で総帥。パリに生まれ、インドのほか日本、フランスで学ぶ。1922年タタ財閥の本社にあたるタタ・サンズ商会に入り、26年取締役、38年に会長となる。航空事業にとくに強い関心を寄せ、1932年タタ航空(現エア・インディア)を創設する。自らもパイロットの資格をもつインド民間航空のパイオニアとして著名。また、国民会議派の反英独立運動を支援し、資金を提供した。インド最大の鉄鋼コンビナートであるタタ鉄鋼TISCOをはじめ、タタ化学Tata Chemicals、タタ工業Tata Industries、インディアンホテルズなどの会長を兼任、国際的にも経営手腕を買われていた。[三上敦史]

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