タバコモザイクウイルス(英語表記)tobacco mosaic virus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タバコモザイクウイルス
tobacco mosaic virus

植物ウイルスの一種で,タバコやトマトなどのに濃淡緑色点を生じさせたり,ちぢれさせたりする。 TMVと略記する。 1935年にウェンデル・スタンレーがこのウイルスを結晶として単離することに成功した。RNAウイルスであってデオキシリボ核酸 DNAは含まず,リボ核酸 RNAの細長い芯を蛋白質サブユニットが多数囲んで筒状となり,全体は長さ 280nm,径 15nmの六角棒状をなす。 (→モザイク病 )

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百科事典マイペディアの解説

タバコモザイクウイルス

略称TMV。植物ウイルスの一種。タバコをはじめ,ナス科,キク科,マメ科など22科,200種以上の植物に寄生し,モザイク病を引き起こす。接触伝染や土壌伝染によって広がるが,媒介生物はいない。ウイルス粒子は長さ300nm,直径18nmの棒状で,約6400ヌクレオチドの1本鎖RNAと,それを包んでらせん状に並ぶ約2100個の外被タンパク質から構成されている。古くからよく知られているウイルスで,生化学的,分子生物学的研究が最も進んでいる。→植物ウイルス病
→関連項目ウイルス病スタンリー

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世界大百科事典 第2版の解説

タバコモザイクウイルス【tobacco mosaic virus】

タバコモザイク病の病原体。TMVと略称。長さ300nm,幅15nmの棒状をしたウイルスで,ウイルス粒子は核酸とタンパク質から構成されていて,分子量はおよそ4000万である。中心部に分子量20万の1本鎖の核酸(RNA)をもち,その回りに分子量1万8000の外被タンパク質がおよそ2000個取り巻いている。 タバコモザイクウイルスは,ウイルス学の歴史上重要な研究対象であった。タバコモザイク病は,タバコの葉の表面に緑色の斑が現れ,葉の形がいびつになる病気として,古くから知られていたが,ながらく原因不明であった。

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精選版 日本国語大辞典の解説

タバコモザイク‐ウイルス

〘名〙 (tobacco mosaic virus) タバコの葉にモザイク病をおこすウイルス。一九三五年、スタンリーによって精製、結晶化され、分析の結果、核蛋白質であることが判明。この研究は生化学の発展に大きく貢献した。

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化学辞典 第2版の解説

タバコモザイクウイルス
タバコモザイクウイルス
tabacco mosaic virus

略称TMV.タバコのモザイク病の病原体で,1935年,W.M. Stanley(スタンリー)によって結晶状で取り出され,その粒子の大きさは直径15~18 nm,長さ300 nm のさお状,分子量4×107 である.TMV粒子の化学組成はタンパク質が95%,RNAが5% である.すなわち,約2130分子の同一のタンパク質が約6000個のヌクレオチド鎖をもつRNAを中心にらせん状につらなっている.このタンパク質は分子量1.7×104,アミノ酸基を158個もち,その配列も決められ,N末端がアセチル化されているタンパク質である.また,TMV-RNAは一本鎖RNAで,このRNAはDNAと同じように遺伝情報をもち,RNAそれ自体も感染性をもっている.

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