ダカール(その他表記)Dakar

デジタル大辞泉 「ダカール」の意味・読み・例文・類語

ダカール(Dakar)

セネガル共和国首都アフリカ大陸西端のベルデ岬にあり、南アメリカ大陸に最も近い。沖合にかつて奴隷交易の拠点だったゴレ島が浮かぶ。19世紀半ばにフランスにより港が建設され、ラッカセイ積出港として発展。1902年にフランス領西アフリカの首都となった。人口、行政区108万(2007)。

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精選版 日本国語大辞典 「ダカール」の意味・読み・例文・類語

ダカール

  1. ( Dakar ) セネガル共和国の首都。アフリカ大陸最西端のベルデ岬にある。一八五七年フランスが軍事基地を建設、のちフランス領西アフリカの行政・経済の中心地となった。落花生輸出港としても発展。大西洋航路・航空路の中継地として重要な地位を占める。

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改訂新版 世界大百科事典 「ダカール」の意味・わかりやすい解説

ダカール
Dakar

西アフリカ,セネガル共和国の首都。大都市域人口198万(2002)。アフリカ西端のベルデ岬に位置する大西洋岸の良港で,国際空港もあり,ヨーロッパと南アメリカを結ぶ交通の要衝である。ダカールを起点とする鉄道は隣国マリに通じる。世界最大のラッカセイ輸出港であるほか,カポック,アラビアゴム,サイザル麻,皮革などの積出港である。また精糖,ラッカセイ油,繊維,肥料セメントなどの工業が発達し,伝統工芸として衣料,家具,宝石などが知られている。学術文化の面でもダカール大学,アフリカ研究所,パスツール研究所,博物館をはじめ教育施設が多い。ベルデ岬は16世紀末以来オランダ,イギリス,フランスによる争奪の的となったが,1857年にフランスは沖合のゴレ島と岬に住むフランス商人保護のため,この地に城塞を建設し,これがダカールの母体となった。85年セネガル河口のサン・ルイとの間に鉄道が開通して都市化が進んだ。87年フランスのコミューンとなり,1902年にはサン・ルイに代わってフランス領西アフリカの主都となり,アフリカのパリといわれる都市建設が進んだ。40年ビシー政権下にあったダカールを解放するため,上陸してきた自由フランス軍との戦場となり,42年アメリカ軍によって解放された。59-60年マリ連邦の主都となったが,60年にフランス領西アフリカが7独立国に分かれたため,ダカールはセネガルだけの首都となり,その政治・経済上の重要性は相対的に低下した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダカール」の意味・わかりやすい解説

ダカール
だかーる
Dakar

西アフリカ、セネガルの首都。同国の政治、経済、文化の中心都市で、アフリカを代表する国際都市でもある。ダカール市の人口は91万9683、首都圏人口は241万1528(2001)。アフリカ大陸最西端のベルデ岬に立地し、沖合いにはかつて奴隷集積所であったゴレ島がある。ヨーロッパと南アメリカを結ぶ航路の補給基地であったが、19世紀にラッカセイ栽培が拡大し、1857年フランスにより岬に港が建設され、その積出し港として発展した。マリやセネガル北部のサン・ルイへの鉄道も建設され、人口も急増し商業の中心地ともなった。1902年にはフランス領西アフリカの首都となり、フランスの西アフリカ植民地支配の拠点となった。独立後もセネガルの首都として発展し、人口も急激に増加した。ヨーロッパと西アフリカ、南北アメリカを結ぶ要衝であることが重視され、西アフリカ中央銀行本店、FAO(国連食糧農業機関)地域本部など国際機関が立地し、国際都市ともなっている。ベルデ岬を構成する陸繋(りくけい)砂州と火山島上には、港を中心に「アフリカのパリ」といわれたヨーロッパ風市街が広がる。ダカール大学、ブラック・アフリカ研究所(IFAN)、博物館などがあり、西アフリカの学術の中心地でもある。工業では、落花生油、製粉、缶詰、自動車、造船、化学肥料、石油精製などがある。港はアフリカ有数の貿易港で年間600万トンの貨物を扱う。サンゴール国際空港L.S.Senghor international airport(ヨッフYoff国際空港)はヨーロッパと西アフリカ、南北アメリカを結ぶ重要な空港である。

[藤井宏志]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダカール」の意味・わかりやすい解説

ダカール
Dakar

セネガルの首都。港湾都市。同国西端部,ベール岬半島に位置。 17~19世紀,オランダ,フランス,イギリスがこの地方の領有を争ったが 1857年フランスが基地を建設,都市の起源となった。 1885年セネガル川河口のサンルイと結ぶ西アフリカ最初の鉄道が建設され,のち港湾施設が整備されて,西岸の主要港として発展。半島に北から東を囲まれた天然の良港で,ヨーロッパ,南アメリカ大陸,アフリカ大陸南部を結ぶ交通の要衝にあたるため外国船の寄港地,商工業中心地となり,国際都市へと進展した。 1902年からフランス領西アフリカの首都。 1923年ダカール=ニジェール鉄道が完成,その後マリのバマコまで開通した。ヨーロッパからサハラ以南に向かう飛行機は最初にダカールに着陸するところから「ブラックアフリカの玄関」と呼ばれている。気候は快適で,ヨーロッパ風の市街が広がる。ラッカセイをはじめ,パンヤ,ゴムなどを輸出。工業は綿織布,石鹸,石油精製,肥料,たばこ,落花生油製造,水産加工,自動車組み立てなどのほか造船所,船舶修理工場,鉄道工場,発電所もある。ダカール大学をはじめ各種研究機関,博物館,国際空港がある。人口 100万9256(2004)。

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百科事典マイペディア 「ダカール」の意味・わかりやすい解説

ダカール

セネガルの首都。アフリカ最西端のベルデ岬にあるヨーロッパ風の港湾都市。海・空交通の要地。食品加工,繊維などの工業が行われる。世界最大のラッカセイ輸出港。沖合3kmのゴレ島はアメリカ大陸への奴隷の積出地であったことで知られる。大学(1949年創立),ブラック・アフリカ研究所などがある。1857年フランスの軍事基地として創設。1902年サン・ルイにかわってフランス領西アフリカの主都。オートレース〈パリ・ダカール・ラリー〉の終点。239万6800人(2010)。
→関連項目セネガルダカール・ラリー

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ダカール」の解説

ダカール
Dakar

アフリカ大陸最西端の岬に位置する都市。1902年から60年までフランス領西アフリカ総督府が置かれ,セネガル独立(60年)以降,首都。20世紀初めまでの小さな漁村は植民地化により変貌し,現在セネガル国土面積の0.3%の首都圏に総人口の20%超が住む過密都市になっている。

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