チモシー(英語表記)timothy
Phleum pratense L.

デジタル大辞泉 「チモシー」の意味・読み・例文・類語

チモシー(timothy)

イネ科多年草。高さ約1メートル。夏、茎の先に細長い円柱状の花穂をつける。明治初め牧草として輸入されたが、現在は各地自生。発芽したものは鮮緑色で、絹糸草とよばれる。

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精選版 日本国語大辞典 「チモシー」の意味・読み・例文・類語

チモシー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] timothy ) 植物「おおあわがえり(大粟反)」の牧草としての名。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「クローバーやチモシーなどのまぐさにもなり土地の肥にもなる雜を蒔いた」(出典:平民ワシントン(1923)〈花岡敏夫〉七)

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改訂新版 世界大百科事典 「チモシー」の意味・わかりやすい解説

チモシー
timothy
Phleum pratense L.

牧草として栽培されるイネ科の多年草。和名オオアワガエリという。ヨーロッパ原産だが,牧草としてはアメリカから広まり,日本には明治初期に北海道に導入された。北海道や東北地方を中心に栽培されるが,道ばたや空地に野生化もしている。草丈は50cm~1m。晩春から初夏に円柱状の穂を出す。穂は5~15cm,小穂が密につき,淡緑色でやや紫色を帯びる。小穂は長さ3mmほどで1小花よりなる。種子はきわめて小さく軽く,1000粒で約0.5gである。茎の基部地中にある部分はふくらみ,鱗茎となる。温帯の中でもやや寒冷な土地に適し,湿った場所を好む。刈り取って乾草として家畜に与えるが,青刈りやサイレージ用としても利用できる。放牧地用にも栽培されるが,家畜に踏まれることにより害を受けやすい。飼料として良質で,とくにウマがこれを好む。発芽したばかりのものは細くそろい,緑色が美しいのでキヌイトソウ(絹糸草)の名で水盤などにつくり観賞される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チモシー」の意味・わかりやすい解説

チモシー
ちもしー
timothy

イネ科(APG分類:イネ科)の多年草であるオオアワガエリの英名。牧草とする。同属のものにアワガエリやミヤマアワガエリがある。

[編集部 2019年8月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チモシー」の意味・わかりやすい解説

チモシー
Phleum pratense; timothy grass

イネ科の多年草で,ヨーロッパ原産。牧草として有名で,アメリカをはじめ世界の牧畜国で広く栽培されている。オオアワガエリとも呼ばれ,日本には明治初期に輸入され,牧場近くの各地に帰化している。茎は太く短い根茎から直立し,高さ 50~100cm。葉は細長い線形で鋭くとがり,長さ 15~60cm,幅6~10mm。夏,茎の先に細長い円柱形で長さ5~15cmの花穂を出し,淡緑色の小穂を密につける。小穂は長楕円形で長さ3~4mm,ほとんど柄がない。外側の2枚の包穎は同形同大,中央脈に沿って2つ折りとなり,脈の先は長さ 1mm内外の太い芒 (のぎ) となる。水盤に多数の種子をまいて発芽させ,鮮緑色で糸のような芽生えを観賞することがあり,そのときはキヌイトソウとも呼ばれる。

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百科事典マイペディア 「チモシー」の意味・わかりやすい解説

チモシー

オオアワガエリとも。イネ科の多年草。明治初期に牧草としてヨーロッパから移入された。おもに北海道,本州北部で栽培され,また野生化している。高さ60〜90cm,茎や葉は比較的柔らかく,茎の基部は太くなる。円柱状の花穂をもち,6〜8月に開花。小穂は1小花のみからなる。日本には一年草で小型のアワガエリが自生する。
→関連項目飼料作物牧草

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