テオドリック(大王)(読み)ておどりっく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

テオドリック(大王)
ておどりっく
Theodoric英語
Theodoricusラテン語
(456ころ―526)

ゴート国王(在位471~526)。幼年時代、人質としてビザンティン(東ローマ)帝国の宮廷に生活した。成人後は父王の後を継ぎ、東ゴート人を率いて帝国に軍事的に奉仕し、高官に任命されたが、彼の勢力の増大を恐れたビザンティン皇帝ゼノンは、東ローマの帝位を簒奪(さんだつ)したオドアケルの追討を委任するという名目で、テオドリックをイタリアに送り込んだ(488)。彼は歴戦のすえオドアケルを倒し、ビザンティン皇帝の名目的宗主権の下に、イタリア、シチリア、ラエティア、ノリクム、ダルマチアなどを支配下に収め、東ゴート王国を建てた。内政上はローマ文化とローマ的統治組織を継承し、文官には、哲学者ボエティウス、文人カッシオドルスをはじめ、ローマ人をも登用したが、武官は東ゴート人に限り、東ゴート人とローマ人とが融合するのを極力避けようと努めた。対外的には、フランク王国に対抗するため、婚姻政策を中心にチューリンゲン人、ヘルーレル人その他ゲルマン系諸部族の大同団結を企てたが、完全な成功は収めなかった。[平城照介]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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