改訂新版 世界大百科事典 「テルアビブヤフォ」の意味・わかりやすい解説
テルアビブ・ヤフォ
Tel Aviv-Yafo
イスラエルの地中海岸にある都市。人口37万(2005)。ヤフォ(英語名ジャッファJaffa)は前14世紀のエジプトの文献にも出てくる古い港町で,パレスティナへの玄関口として栄えた歴史をもち,イスラム時代はヤーファーとして知られた。1909年ヤフォに住んでいたユダヤ人移民団体がその北隣の砂丘地に建設を開始したのがテルアビブで,その後パレスティナに移住したユダヤ人の多くを吸収し,純粋にユダヤ人の,しかも西欧的近代都市として急速に発展し,36年にはパレスティナ最大の都市となった。48年のイスラエル独立と同時に起こった第1次中東戦争(パレスティナ戦争)でヤフォはイスラエルによって攻略され,戦後の49年にはテルアビブがこれを合併して単一の市テルアビブ・ヤフォとなった。工業,商業,交通などを含めイスラエル最大の経済活動の中心地だが,国防省を除く政府機関がすべてエルサレムに移されたこともあって人口ではエルサレムに追い越された。
執筆者:木村 修三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報