デキストリン(英語表記)dextrin

翻訳|dextrin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

デキストリン
dextrin

糊精ともいう。デンプンを酸または酵素の作用で加水分解するとき,デンプンから麦芽糖にいたる中間段階の種々の加水分解生成物ができる。これらを総称してデキストリンという。薬局方でデキストリンというのはデンプンを加熱,または酸加水分解あるいはジアスターゼ加水分解して得られる粗デキストリンを水に溶かし,アルコールで沈殿させて精製したものである。可溶性デンプンもデキストリンの一種である。白色ないし淡黄色の非晶性の粉末または細粒で,やや甘味がある。水に徐々に溶け,熱水にはすみやかに溶ける。糊剤,乳化剤,製剤用希釈剤に使用される。

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百科事典マイペディアの解説

デキストリン

糊精(こせい)とも。デンプンがアミラーゼまたは酸で加水分解され麦芽糖になる過程で生ずる中間物質の総称。白色あるいは黄色の無定形粉末。分解程度により,可溶性デンプン,アミロデキストリンエリスロデキストリンアクロデキストリンなどに区別される。水に溶けると糊状になるものが多く,接着剤,糊料,賦形剤などに利用される。
→関連項目アミラーゼ

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世界大百科事典 第2版の解説

デキストリン【dextrin】

デンプンを酸またはアミラーゼ類で加水分解すると,最終的にはグルコースとなるが,その途上で,さまざまな分子量中間生成物が得られる。これらを総称してデキストリンという。そのうち,分子量1万程度のものをアミロデキストリン,分子量7000程度のものをエリスロデキストリン,分子量4000程度のものをアクロデキストリンと呼び,ヨード反応による呈色はそれぞれ青藍色,赤褐色,淡褐色である。デンプンをβ‐アミラーゼで加水分解すると,デンプン分子の分枝点(1,6‐グルコシド結合点)で分解が止まってしまい,分子量15万程度の未分解物が残る。

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大辞林 第三版の解説

デキストリン【dextrin】

デンプンを酵素・酸などで分解して得られる種々の中間生成物の総称。一般式(C6H10O5n 白色または淡黄色の粉末で、やや甘味がある。水に溶けて粘着性を示す。糊剤こざい・乳化剤・酒造原料として用いる。糊精。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

デキストリン
できすとりん
dextrin

糊精(こせい)ともいう。デンプンを酸、熱、酵素などで加水分解するときに生ずる中間生成物で、デンプンより分子量の小さい多糖の総称。アミロデキストリンともいう。デンプンをわずかに分解した高分子量のものから、ヨウ素デンプン反応を呈しない低分子量のものまで、広範囲のものが含まれる。生体内では唾液(だえき)や小腸内の細菌によってデンプンからデキストリンを生ずる反応が行われる。工業的には、おもに加酸焙焼(ばいしょう)法が行われている。
 なお、デンプンの酸や酵素による加水分解で生じたデキストリンはデンプンとほぼ同様に消化吸収されるが、焙焼デキストリン(ピロデキストリン)には消化酵素で分解されにくい結合をもつものがある。また、製法によって分岐度の異なるデキストリンが得られ、市販品には白色、淡黄色、黄色の3種がある。白色デキストリンは冷水に40%以上、温水には完全に溶ける。主として絹物などの織物の仕上げ糊(のり)、あるいは錠剤の賦形剤として用いられる。淡黄色および黄色デキストリンは冷水に完全に溶け、粘度が低く、用途が広い。すなわち、切手や封筒などの裏糊、事務用糊など各種の接着剤、水性塗料、製薬の調合や薬品の賦形剤、練炭の粘結剤などにも使われる。[村松 喬・不破英次]

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