水を溶剤とした塗料の総称。エマルジョン系、骨材入りエマルジョン系、水溶性プラスチック系に分けられ、通常はエマルジョン塗料とよばれている。水性ペイントともいう。プラスチックには一般にポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、スチレン‐ブタジエン共重合物、アクリル酸エステル共重合物のエマルジョン(乳濁液)が多い。これらは塗膜の形成法により加熱硬化型と常温硬化型とがある。前者にはスチレン‐ブタジエン系やアクリル酸エステル系が、後者には酢酸ビニル系などがある。水性塗料の一般的な特徴は、水が溶剤の役割をしているので火災や環境汚染の心配が少ない。しかも塗膜はいったん乾燥すると耐水性があり、また耐アルカリ性もよいのでコンクリート、モルタルなどに使用できる。エマルジョンを形成している樹脂の小さな粒子の融合によって塗膜が形成される。そのために光沢は乏しい。常温硬化型はおもに建築物の屋内・屋外塗装用として静電スプレー塗装されることが多い。加熱硬化型は、自動車用プライマーprimerの塗料の塗布の際に、素材との密着をよくするため、表面にあらかじめ塗布する下塗り塗料として使用されている。
[垣内 弘]
塗料の助要素の主成分が水である塗料の総称。水性ペイントともいう。通産省の統計分類では,水系塗料を,エマルジョン系,骨材入りエマルジョン系,水溶性樹脂系に分けている。水に溶けている樹脂および水にコロイド状に分散している塗料とエマルジョン塗料を含めて水性塗料という。電着用塗料も上記に属する。水性塗料に使用している樹脂の組成によって分類すれば,エマルジョン塗料は別にして,水溶性ポリエステル樹脂,水溶性アクリル樹脂など通常塗料に使用している樹脂は水溶化が可能である。硬化方式としては,自然乾燥型と焼付型とがある。環境浄化の塗料の最右翼の塗料であるが,水の特殊性質により,電着用塗料以外は大きく普及するまでには至っていない。焼付型では電着用塗料が大きな量を占めており,全世界で生産される自動車車体の75%に対して使用されている。次いでコイルコーティング用塗料であり,主として缶用である。自然乾燥型はエマルジョン塗料を除き,あまり使用されていない。
執筆者:大藪 権昭
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顔料の展色剤として油を使用するかわりに,にかわ,カゼイン,溶性デンプン,アラビアゴム,水ガラスなどの水溶液を使用したもの.一般には,光沢のない塗膜を生じ雅趣に富むが,耐水性に乏しいので室内用の塗料として用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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