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トベラ(英語表記)Pittosporum tobira

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トベラ
Pittosporum tobira

トベラ科の常緑低木で,本州中部以西から四国,九州の海岸近くに生えるが,庭木や公園樹としてもよく栽植される。幹は 3mほどで密に分枝してこんもりとした円形の樹冠をつくる。葉は枝の先端部に密に互生し,倒卵形で先端は丸い。葉は厚く光沢があり,縁は下面へ巻込む。初夏に,枝先に集散花序をなして白色の花をつけ芳香がある。花弁は5枚で筒形をなし,のちに花色が淡黄色に変る。雌雄異株で,雌花ではめしべだけでおしべは退化し,雄花では逆に5本のおしべが目立つ。果実は直径 2cmほどの球形で熟すると3つに裂け,赤褐色の粘液でおおわれた種子を露出する。全体に一種の臭気があり特に根皮が著しい。葉を煎じた液を皮膚病外用薬とする。節分の夜に枝をにはさみその臭気で疫鬼をよけたので「トビラノキ」ともいう。この属の植物はオーストラリアに多く,日本では本種のほか小笠原にシロトベラなど4種の特産種がある。

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百科事典マイペディアの解説

トベラ

トビラノキとも。トベラ科の常緑低木。本州〜沖縄の海岸地方にはえる。よく枝分れし,葉は互生して枝先に密生,長倒卵形で厚く,革質をなしやや光沢がある。雌雄異株。5〜6月,枝先に集散花序を頂生し5弁花を開く。花は径約1cm,初め白色だが,のち黄色に変わり,芳香がある。果実は球形で11〜12月に熟して3裂し,赤い粘った種子を出す。庭木とする。
→関連項目海岸植物

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世界大百科事典 第2版の解説

トベラ【tobira】

日本の暖地海岸に普通なトベラ科の常緑低木。トビラノキともいう。トベラの名は昔,節分にこの板を門扉に挿して魔除けに用いたためという。高さ2~3m,よく枝分れし,こんもりとした樹形を作る。葉は枝先に集まってつき,先端のまるい長楕円形で長さ4~8cm,葉質が厚く表面は濃緑色で光沢があり,中央の葉脈だけよく目立つ。初夏,枝先に花序を出し長さ1~2cmの5弁の白花を数個上向きにつける。クチナシに似た芳香がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トベラ
とべら / 扉木
[学]Pittosporum tobira (Thunb.) Ait.

トベラ科の常緑の大形低木。高さ約3メートルに達する。葉は枝先近くに密に互生し、楕円(だえん)状倒卵形で長さ10センチメートル、幅約3センチメートル、革質で光沢があり、先は丸い。6月ころ、枝先に集散花序をつくり、白色花を開く。花は単性花で芳香があり、雌雄異株。萼片(がくへん)は5枚、卵形で縁(へり)に毛がある。花弁はへら形で平開し、先端はしばしば反り返る。雄しべは雄花では長く稔性(ねんせい)であるが、雌花では小さく不稔性。雌花には3枚の心皮からなる雌しべが1本ある。果実は球形で、径1.2~1.6センチメートル、熟すと3裂開し、赤色の種子を裸出する。名は、節分に、この果実を扉に挟み、魔除(まよ)けとすることに由来し、別名トビラノキともいう。海岸に生え、関東地方以西の本州から沖縄、および朝鮮半島南部、中国大陸南部、台湾に分布する。
 近縁のコヤスノキ(子安木)P. illicioides Makinoは常緑低木。葉質はトベラほど厚くなく、先は鋭くとがる。花柄は毛がなく、細長い。兵庫県、岡山県の山地の林内に生え、中国大陸中部に分布する。神社の林に多くみられ、安産祈願をすることからコヤスノキの名がある。
 トベラ属は約150種あり、一部はアジアにあるが、分布の中心はポリネシアおよびオーストラリアである。小笠原(おがさわら)にはトベラの近縁種が4種あり、狭い地域で著しく種分化がおこっていることで知られる。[古澤潔夫]

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