トランザクション(情報処理)(読み)とらんざくしょん(英語表記)transaction

翻訳|transaction

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

トランザクション(情報処理)
とらんざくしょん
transaction

業務処理や取り扱いを意味する英語で、情報処理の分野では、情報の一貫性を保つために分けることのできない、複数の処理を集めた一つの単位をいう。系統的に情報が整理・管理されているデータベースを利用する場合、一連の処理のうち個々の成功失敗を判断するだけでは不十分で、複数の処理がすべて滞りなく行われたかどうかに応じ、成功か失敗かを判断する必要がある。たとえば、金融機関ATM(現金自動預金支払機)で銀行口座から振込みが行われた場合、元の口座から振込み金額を減らし、この処理とあわせ、振込先の口座に金額を増やす処理が行われなければならない。この一連の処理が一つのトランザクションである。さらに、一連の処理のうち、どこかで失敗が起きて結果が矛盾する場合には、そのトランザクションが行われなかったとみなして、取り消す必要が生じる。このような一つ一つのトランザクションを評価し、総合的に管理する仕組みを「トランザクション処理」(transaction processing)とよぶ。

 ATMでのトランザクション処理のように、ホストコンピュータと各端末とをネットワークでつなぎ、端末での操作をホストコンピュータに反映させながら行うトランザクション処理を、オンライントランザクション処理という。そのなかで、即時に行うものをリアルタイムオンライン処理、ある程度の数のトランザクションが蓄積されたり、一定時間が経過したのちにまとめて行うものをディレードオンライン処理(delayed online processing)という。後者は、即時性が求められない業務や、ある程度まとめて実行したい作業などに用いられる。ホストコンピュータやサーバー、ネットワークなどの負荷が低い深夜などを選んで処理することでシステム全体の効率化を図ることもできる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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