トロンボーン(英語表記)trombone

翻訳|trombone

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トロンボーン
trombone

楽器の一種。U字形のスライドを操作して数々の音高を得る低音用金管楽器。本来は,高音用も含まれていたが,今日では変ロのテノールとバスが一般化している。 15世紀に,大型のトランペットにスライドをつけたものが前身とされていて,イギリスではサックバットと呼ばれた。主として公的な儀式教会音楽に用いられたが,スライドによって多くの音が出せるため,当時ではトランペットよりも用途が広く,16~17世紀には芸術音楽に加えられることが多かった。管弦楽で常用されるようになったのは,ベートーベン以降。

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デジタル大辞泉の解説

トロンボーン(trombone)

楽器の一。カップ状の吹き口をもち、U字形の管を2本組み合わせ、一方の管をスライドさせて音高を変える。バルブによって管の長さを調節するものもある。

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百科事典マイペディアの解説

トロンボーン

金管楽器の一種。スライド管を第1〜7ポジションに伸縮させて管長を変え各音を得る。変ロ管のテノール・トロンボーン,ト管またはヘ管のバス・トロンボーン,バルブ1個を使用して両者を兼ねるテノール・バス・トロンボーンの3種が一般的。15世紀中ごろにトランペットから分かれて発達したもので,オペラや宗教音楽で用いられたのち,ベートーベンが初めて第5番(運命)と第6番(田園交響曲)の交響曲で交響作品に採用した。音域は低く,音色は太い。管弦楽のほか,吹奏楽,ジャズに多用される。
→関連項目管楽器管弦楽

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世界大百科事典 第2版の解説

トロンボーン【trombone】

金管楽器の一種。その名からも推察される通り,大型のトロンバ(トランペット別名)として成立し,15世紀以来の歴史がある。管形は円筒管部分が優勢,歌口(マウスピース)の内面は盃形。音に張りがあって力強い。管の途中に設けたU字状折返しをスライドに作ってあり,把手を押し引きすると管が伸縮する。管長を随時・自在に変えられることは,音程を自由に作れることである。スライド操作の面で運動性の制約はあるものの,他の金管楽器には求められない手加減融通もきく。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トロンボーン
とろんぼーん
trombone 英語
trombone フランス語
trombone イタリア語
Posaune ドイツ語

リップリード(唇を発音源とする)の気鳴楽器の一つ。西洋音楽のいわゆる金管楽器に属し、トランペットと同様、管は円筒形を基本としている。現在一般に用いられているのは、管の一部をスライドさせることで管長を変え、それによって音高を変えることができるスライド式トロンボーンである。これは構造的には非常に単純で、外見上は長い1本の管を途中で2回折り返した形をしているが、実際には3本の管とそれをつなぐ2本のスライド管からなっている。スライド管のうち、歌口から奏者の前方に出ているものは、演奏中につねに動かして必要な音高を得るために用いられ、前方から折り返してきて奏者の肩の後方に位置するものは、楽器自体のピッチを微調整するために用いられる。実際の発音は、スライドをいちばん手前に引いた位置(第1ポジション)からスライドを伸ばして、順に半音ずつ低い第7ポジションまでの音を唇の調節による倍音の選択と組み合わせてなされる。このスライド管がトロンボーンの大きな特色で、これによってポルタメントなど他のいわゆる金管楽器には困難な演奏が可能となる。今日もっとも使用されるスライド式はテノール(B♭管)のタイプで、テノール・バス(通常B♭管、弁の操作でF管に切り替え可能)がこれに次ぐ。このほかにもソプラノ(B♭管)、アルト(E♭管)などがある。

 このスライド式のほか、トランペットのようにバルブ・ピストンを用いたバルブ・トロンボーンとよばれるものもある。19世紀後半にはドイツ、イタリアなどでよく用いられたが、音質があまりよくないため、今日ではほとんど用いられない。

[卜田隆嗣]


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精選版 日本国語大辞典の解説

トロンボーン

〘名〙 (trombone) 金管楽器の一つ。トランペットから発達しバッハの時代に完成。朝顔型の開口部、二個のU字型管の組み合わせの部分、および吹口からなり、U字型管の部分をスライドさせて音高を変えるが、バルブピストン式のものもある。音色は太くまるみを帯び、ソプラノ、アルト、テノール、テノールバス、バス、コントラバスがある。管弦楽、吹奏楽に常用。
※風俗画報‐三二二号(1905)人事門「トロンボーヌ」

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