コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ドクニンジン Conium maculatum L.

2件 の用語解説(ドクニンジンの意味・用語解説を検索)

世界大百科事典 第2版の解説

ドクニンジン【Conium maculatum L.】

ヨーロッパ原産のセリ科の有毒な二年草(イラスト)。茎は直立して上部で分枝し,高さ1~1.5mに達し,中空で毛がなく,表面に暗紫色の斑紋がある。葉は3回羽状に細かく分裂し,上部ではほぼ対生する。夏に枝先に複散形花序をつけ,白い小さい花を多数つける。花は直径約3mm,花弁は5枚,先端は内に曲がり,そのうち1枚だけが特に大きくなっている。果実はほぼ球形で,直径約3.5mm,熟すと2分果に分かれる。分体に切ると不快な臭気があり,コニインconiineなどの有毒成分を含む。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ドクニンジン
どくにんじん / 毒人参
hemlock
[学]Conium maculatum L.

セリ科の二年草。原産地は不詳だが、現在はヨーロッパアジア北アフリカ北アメリカに分布している。高さ50~250センチメートルで全株無毛、根は紡錘形で白色。茎は直立。茎の上部は強く分枝し、中空で、外面には細い縦溝があり、青緑色で白粉に覆われる。しかし、下部では暗赤ないし赤褐色不規則な斑紋(はんもん)がある。葉は3~4回羽状に分裂し、小葉は長楕円(ちょうだえん)形で深い鋸歯(きょし)がある。花は目だたない汚白色で、複散形花序をなす。果実は広卵形、灰緑色で、肋線(ろくせん)が強く突出し、波状となる。一般のセリ科植物は油室をもち芳香を感ずるが、本種は油室をもたず、全株、とくに花と果実に不快なネズミの尿のような臭(にお)いがあるのが特徴である。この臭いは、揮発性アルカロイドのコニインによる。古代ギリシアでは毒殺薬としたり、罪人の死刑執行にこれを用いたという。また、アヘンと混じて国家が自殺用に与えることもあった。ソクラテスは獄中でこれを飲んで死んだと伝えられる。類似生薬(しょうやく)に混用されて思いがけない結果となることがあるため、現在では薬用に供されない。[長沢元夫]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内のドクニンジンの言及

【有毒植物】より

…アセビを馬酔木と書くのも葉をたべたウマが酔ったようになるからで,ともに中枢神経を興奮の後に麻痺させるグラヤノトキシンを含むためである。ドクニンジンも中枢および運動神経末梢を麻痺させる成分コニインを含有し,ソクラテス処刑に用いられた。プラトンは著書《ファイドン》にソクラテスの手足が冷えやがて心臓が麻痺して死にいたる情景を描写している。…

※「ドクニンジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

ドクニンジンの関連キーワードカミツレデージーマーシュヨーロッパ共同体ヨーロッパ原子力機関ヨーロッパ原子力共同体パースニップアメリカ防風セルリアクフダンソウ

今日のキーワード

大寒

二十四節気の一つ。元来,太陰太陽暦の 12月中 (12月後半) のことで,太陽の黄経が 300°に達した日 (太陽暦の1月 20日か 21日) から立春 (2月4日か5日) の前日までの約 15日間で...

続きを読む

コトバンク for iPhone