ドーラン

デジタル大辞泉 「ドーラン」の意味・読み・例文・類語

ドーラン(〈ドイツ〉Dohran)

ドイツの製造会社の名から》舞台映画・テレビの撮影の際に俳優などが化粧に用いる油性練りおしろい

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精選版 日本国語大辞典 「ドーラン」の意味・読み・例文・類語

ドーラン

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Dohran ドイツ、ドーラン社の製品がよく知られたところから ) 舞台化粧や映画・テレビの撮影用に用いられる油性の顔料。〔モダン辞典(1930)〕
    1. [初出の実例]「怒ったような顔つきで、ドーランを塗っている」(出典:魔に憑かれて(1957)〈北原武夫〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「ドーラン」の意味・わかりやすい解説

ドーラン

メーキャップ化粧品の一種。英語ではグリース・ペイントgrease paintと呼ばれるもの。パリのドーランDorin社から,主として舞台化粧用として発売されていたもので,明治の末ころから日本にも輸入され,〈バトン・ドーランbâton dorin〉の商品名で売り出された。色は砥粉(とのこ)色,桜色,紅,紫,茶,薄黒,黒,光,影などと多彩で,棒状無機顔料レーキ(染付け顔料),体質顔料などを,ワセリンラノリン,固形パラフィン,蜜蠟流動パラフィン,香料などといっしょに溶かし,練り合わせたもので,長時間舞台で汗をかいても化粧崩れしないという利点があった。スティック状ファウンデーションの原型であるが,現在は原料として脂肪酸エステルやスクワランなどを使い,使用感がよくなっている。一説に,ドイツのドーランDohran社のものが有名だったからともいわれているが,明確ではない。また第2次世界大戦以降も,スティック状ファウンデーションのことをドーランと呼んでいるが,ドーラン社製のものではない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドーラン」の意味・わかりやすい解説

ドーラン
どーらん
Dohran ドイツ語

舞台化粧に使われる油性おしろいで、グリース・ペイントgrease paintとよばれるものの俗称。マックス・ファクター社のパンスティックPanstickが有名で、主としておしろい下の地塗り色として使われる。形は棒状で、耐油性の紙で包装されたものが多い。日本では、初めドイツのドーラン社がとくに広くこの種のおしろいを宣伝したので、社名がそのまま通称名となった。第二次世界大戦後は日本でも舞台化粧用品の製作技術が進み、とくに演劇、映画、テレビのメークアップ用として、三善(みつよし)の製品がある。

大木 靖]

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百科事典マイペディア 「ドーラン」の意味・わかりやすい解説

ドーラン

油性おしろいの一種。最初フランスのドーランDorin社から輸入されたためこの名がある。クリーム状で,色彩は多種。おもに映画,演劇などの舞台化粧に用いられる。
→関連項目メーキャップ(演劇)

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