ニコチン酸アミド(読み)にこちんさんあみど(英語表記)nicotinic acid amide

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ニコチン酸アミド
にこちんさんあみど
nicotinic acid amide

ニコチン酸の酸アミドで、一般にはニコチンアミドnicotinamideとよばれている。ナイアシンアミドniacinamideともいう。分子式C6H6N2O、分子量122.13。ニコチン酸と同様に水溶性のビタミンB複合体の一つで、ヒトの抗ペラグラ因子である。植物界にニコチン酸と共存して広く分布するが、動物界の哺乳(ほにゅう)類では肝臓に多い。イヌの黒舌(こくぜつ)病にも効果があり、微生物発育因子としても効果がある。生体内ではこのビタミンの補酵素型ニコチンアミドヌクレオチド、すなわちNADおよびNADPとして存在し、デヒドロゲナーゼの補酵素として多くの酸化還元反応に関与する。生理代謝的にはニコチン酸と同様にトリプトファンから生合成される。また、ニコチンアミダーゼによって加水分解され、生じたニコチン酸はNAD合成に再利用される。なお、ニコチン酸アミドは肝臓でメチル化されてN-メチルニコチン酸アミドとなり、尿中に排出される。

[有馬暉勝・有馬太郎・竹内多美代]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ニコチン酸アミド
ニコチンさんアミド
nicotinamide

無色の結晶で,融点 128~131℃。ビタミンB群の一員であり,ペラグラ,黒舌病に有効なビタミンである。

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化学辞典 第2版の解説

ニコチン酸アミド
ニコチンサンアミド
nicotinamide

3-pyridinecarboxamide.C6H6N2O(122.12).ナイアシンアミドともいう.ビタミンB複合体の一つで,ヒトの抗ペラグラ因子.動物,植物界にニコチン酸とともに広く分布しているが,ニコチン酸エステルの高圧,加熱アンモニア処理で得られる.白色の結晶.融点128~131 ℃.λmax 261 nm(ε 4.7,0.1 mol L-1 塩酸).水,エタノール,グリセリンに易溶,ほかの有機溶媒に不溶.ニコチン酸アミドは二つの補酵素,NADおよびNADPの構成成分であり,生体中の酸化還元反応に関与している.[CAS 98-92-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディアの解説

ニコチン酸アミド【ニコチンさんアミド】

ニコチンアミドとも。ニコチン酸のアミド誘導体C5H4NCONH2。ビタミンB複合体の一つ。NAD,NADPなどの一部分となり,細胞呼吸に関与する。白色の結晶性粉末,ペラグラなどビタミン欠損症の治療剤。(図)
→関連項目ニコチン酸ビタミン

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