ビタミンB群(読み)ビタミンビーグン

デジタル大辞泉 「ビタミンB群」の意味・読み・例文・類語

ビタミンビー‐ぐん【ビタミンB群】

ビタミンB1B2B6B12、およびニコチン酸パントテン酸ビオチン葉酸コリンイノシトールなどの総称。→ビタミンB複合体

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食の医学館 「ビタミンB群」の解説

びたみんびーぐん【ビタミンB群】

ビタミンB群は炭水化物(たんすいかぶつ)脂質(ししつ)たんぱく質代謝(たいしゃ)に深くかかわる栄養素でB1、B2、B6、B12など、十数種類があります。ビタミンB群は1つ不足すると、ほかも連鎖的に働きを止めてしまうため、全体をバランスよく摂取することがたいせつです。
 また、すべてが水溶性で、その大半は体にためておけないため、毎日摂取する必要があります。ただし、余分なものは尿とともに排出されるため、よほど極端な摂取をしないかぎり、過剰症の心配はありません。
○ビタミンB1
 炭水化物をエネルギーへ転換するのに不可欠な栄養素です。不足すると慢性疲労気力減退情緒不安定や記憶力の低下などの症状がでます。ひどくなればかっけとなり、手足のしびれやむくみをまねきます。
 ビタミンB1は水に溶けやすく熱に弱いうえ、水道水の塩素でも破壊されるので、調理中にかなりの量が失われます。意識して多めにとるよう心がけましょう。清涼飲料水スナック菓子、酒やタバコの好きな人は、とくに注意が必要です。
 なお、ニンニクなどに含まれる硫化(りゅうか)アリルはビタミンB1の効力を持続させるので、それらと組み合わせて摂取するのがおすすめです。
 可食部100g中に含まれるビタミンB1の多い食品として、以下のものがあります。豚ひれ肉(中型種)1.22mg、ボンレスハム0.9mg、たらこ0.71mg、炒りゴマ0.49mg、玄米(水稲・穀粒)0.41mg。成人1日あたりの推奨量は男性1.2~1.4mg、女性0.9~1.1mgです。
○ビタミンB2
 細胞の再生、成長促進、脂質や糖質の代謝(たいしゃ)有害物質の分解、過酸化脂質の生成防止などに深くかかわる栄養素です。ビタミンB2が不足すると口内炎(こうないえん)、目の充血などを起こしやすくなります。また過酸化脂質や有害物質が体内にふえることで、動脈硬化(どうみゃくこうか)や老化の進行が速まったり、がんを誘発する原因にもなります。
 ビタミンB2は日本人にとって不足しがちな栄養素の1つ。とくに、糖尿病の人は吸収力が落ちるので、積極的な摂取を心がけましょう。ビタミンB2は豚肉をはじめとする動物性食品に多く含まれます。
 可食部100g中に含まれるビタミンB2の多い食品として、以下のものがあります。豚レバー3.6mg、牛レバー3mg、脱脂粉乳1.6mg、アーモンドフライ・味付け)1.11mg、ドジョウ1.09mg。成人1日あたりの推奨量は男性1.3~1.6mg、女性1.1~1.2mgです。
○ビタミンB6
 たんぱく質をはじめ、神経の伝達物質や赤血球などの合成、脂質の代謝、免疫機能の維持に欠かせません。ビタミンB6が不足すると、皮膚炎や肌の脂性(あぶらしょう)、アレルギーや神経過敏、口内炎、貧血、脂肪肝(しぼうかん)などのトラブルを引き起こすことになります。
 ビタミンB6は腸内の細菌によって合成されますが、抗生物質を長期服用している人、ピルの常用者、妊婦は不足に注意が必要です。
 可食部100g中に含まれるビタミンB6の多い食品として、以下のものがあります。ニンニク(りん茎)1.53mg、ピスタチオ(炒り・味付け)1.22mg、ヒマワリの種(フライ・味付け)1.18mg、ミナミマグロ(赤身・生)1.08mg、トウガラシ(果実・生)1.00mg、ビンナガ(生)0.94mg。成人1日あたりの推奨量は男性1.4mg、女性1.2mgです。
○ビタミンB12
 赤血球のヘモグロビンの合成を助け、神経細胞内の核酸などの合成、修復にもかかわっています。不足すると造血に支障がでて、貧血、倦怠感(けんたいかん)やめまい、動悸(どうき)などの症状がでます。また、集中力の低下、気分の落ち込みといった精神症状も現れます。
 ビタミンB12はめったに不足しませんが、動物性食品にしか含まれないので、菜食主義の人は欠乏症に要注意。
 可食部100g中に含まれるビタミンB12の多い食品として、以下のものがあります。アマノリ(干しノリ)77.6μg、カタクチイワシ(田作り)64.5μg、シジミ(生)62.4μg、アカガイ(生)59.2μg、すじこ53.9μg。成人1日あたりの推奨量は男女とも2.4μgです。

出典 小学館食の医学館について 情報

漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「ビタミンB群」の解説

ビタミンビーぐん【ビタミンB群】

水溶性ビタミンにおける、ビタミンB1ビタミンB2ビタミンB6ビタミンB12ナイアシンパントテン酸葉酸ビオチン(ビタミンH)の8種の総称。複数種の物質からなる混合物で、生体内の肝臓や酵母に豊富に存在し、補酵素として機能することなどの共通点をもつ。他のビタミンの作用を向上させるほか、抗がん作用、活性酸素の抑制、生活習慣病の予防、ストレスへの抵抗性の向上などの作用をもつ。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

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