日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
ネウボラ
ねうぼら
neuvolaフィンランド語
ネウボラの原点は、フィンランドのロシアからの独立まもない1920年代初頭にある。当時、周産期の妊婦や乳児の死亡率が高く、母子の安全を守るため、小児科医や助産師、看護師の有志らが自主的に行った妊婦検診に端を発している。その後、育児に必要な物品などを支給する育児パッケージの給付が民間の手で始められ、助産師の自宅などを利用した母子支援の活動とともに徐々に広がっていった。1944年、このような支援活動が国によって制度化され、自治体には出産・子供支援の地域拠点のネウボラを設置することが義務づけられた。フィンランド国内に約800のネウボラが設けられており、保健師1人当りで年間約50人の妊婦を担当し、出産後は400人あまりの子供とその家族の相談に応じている。
フィンランドは、女性のほとんどがフルタイムで働く男女共同参画の先進国であるが、合計特殊出生率は約1.8(2012)の水準を保っている。2014年(平成26)の合計特殊出生率が約1.42へと低下している日本では、2014年度から厚生労働省が、ネウボラを参考に千葉県浦安(うらやす)市、東京都世田谷区、埼玉県和光市、愛知県高浜市、三重県名張(なばり)市などの市区町村で、妊娠・出産包括的支援モデル事業を行っている。厚生労働省は妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援を行う包括的な窓口を、2015年度中に全国150か所に設置する方針である。[編集部]
