ネクタイ(英語表記)necktie

翻訳|necktie

デジタル大辞泉 「ネクタイ」の意味・読み・例文・類語

ネクタイ(necktie)

首またはシャツなどの襟もとに巻いて正面で結ぶ細い帯状の飾りの布。タイ。
[類語]タイ蝶ネクタイ

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精選版 日本国語大辞典 「ネクタイ」の意味・読み・例文・類語

ネクタイ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] necktie ) 洋装で、首またはカラーの下に巻き、前で結んで飾りにする細長い布の総称。タイ。
    1. [初出の実例]「襟締(えりしめ) ネッキタイ」(出典:西洋衣食住(1867)〈福沢諭吉〉)
    2. 「今仕て御在(おいで)なさる襟飾(ネキタイ)」(出典:付焼刃(1905)〈幸田露伴〉四)

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改訂新版 世界大百科事典 「ネクタイ」の意味・わかりやすい解説

ネクタイ
necktie

単にタイtieともいい,首やシャツの衿の回りに巻いて結ぶ帯状,ひも状の布のことで,おもに男子服の装飾のために用いる。古くは古代ローマ時代の兵士の巻いていた,フォカレfocaleと呼ぶ帯状のウールの首巻にさかのぼるといわれるが,直接の起源は17世紀のイギリスとフランスに登場したクラバットcravateであった。クラバットはクロアチアの人々が首に巻いていた布kravataに由来するもので,それ以前の衿飾がシャツの衿元に縫いつけられていたのに対し,取りはずしのできるスカーフ状のものであった。クラバットの流行は19世紀初期まで続いた。18世紀初期にはストックstockと呼ばれる衿飾が現れた。これはあらかじめ結び目蝶結びがつくられていて,帯状の布をシャツの衿に回し,後ろで結ぶかバックル留めにするものであった。クラバットとストックは上質の麻でつくられ,ほとんど白であったが黒も用いられた。現在でも燕尾服には白の麻か綿の蝶タイ,タキシードには黒の蝶タイが必ず合わされているのは,この時代のなごりである。現在のような多彩な色物や柄物が使われはじめたのは,19世紀半ばころからで,当時の男子服のほとんどが黒または黒ずんだ色調のものだったため,色物がとり入れられ,名称もそれまでのネッククロスneckclothに代わってネクタイが徐々に使われるようになった。1870年代から80年代にかけてシャツの衿が小型になり,上着やベストの衿明きが小さくなったために,ネクタイの結び目が急激に小型化して,現在のネクタイとほぼ同じ形態になった。ネクタイの結び目が小さくなればなるほど,その視覚的な効果を強めるためにより強烈な色や柄がとり入れられて,染色の容易な絹が基本的な素材になった。今日では絹とともにアセテートレーヨンポリエステルなどの化学繊維やウール,またニットのネクタイも使われている。

 日本にネクタイがもたらされたのは幕末の洋服移入に伴うもので,《西洋衣食住》(片山淳之助,1867)に〈襟締 子(ね)ッキタイ〉として紹介され,〈首巻ハ麻ナリ又ハ紙ニテ製シタルモアリ〉と記されている。

 現在用いられているネクタイの種類には以下のものがある。(1)アスコット・タイAscot tie 19世紀の後半,イギリスのアスコット競馬場に初めて登場したことに由来。形はクラバットに近似し,二重結びにして結び目の下を飾りピンで留めるのが特徴で,現在でも黒白の縞模様のものは,この結び方でモーニングコートに合わせることがある。色物,柄物の柔らかいウールや絹のものはスカーフと同様に使われている。(2)幅(はば)タイ 最も代表的な結び下げにするネクタイ。結び目(ノット)の下から大剣の先まで,こぶし四つ分の長さがあるところから,フォア・イン・ハンドfour-in-handと呼ばれる。(3)角(かく)タイ スクエア・エンド・タイsquare end tieのこと。先端が水平にカットされたもの。(4)蝶タイ ボー・タイbow tieのこと。蝶結びにしたネクタイで日本では蝶ネクタイとも。(5)ひもタイ ストリング・タイstring tie,コード・タイcord tie,ボヘミアン・タイBohemian tieとも。細いひもになっており衿元で蝶結びにする。衿元の金具を使うウェスタン・タイwestern tieもこの一種。

 ネクタイの流行は色や柄に出ることが多いが,幅の変化も重要な特徴で,1930年代と,60年代の終りから70年代初めにかけてその幅が10cm以上と極端に広くなった。また40年代から50年代にかけては6cm以下と細くなったが,これは背広上着の衿幅の変化と関係している。また結び方にもさまざまな流行が見られる。
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百科事典マイペディア 「ネクタイ」の意味・わかりやすい解説

ネクタイ

首またはカラーのまわりに巻いて前で結ぶ装飾用の布。単にタイとも。絹がおもだが,薄地ウール,毛糸,皮なども用いる。17世紀にクロアティアの兵が首に巻いた白布から起こり,19世紀半ばに現在の形式になった。おもな種類にはアスコット・タイ,ボー・タイ(蝶(ちょう)ネクタイ),フォア・イン・ハンド(幅タイとも。普通のネクタイ)などがあり,フォア・イン・ハンドの結び方にはレギュラー・ノット,ウィンザー・ノット,エスカイア・ノットなどがある。

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事典 日本の大学ブランド商品 「ネクタイ」の解説

ネクタイ

服装
明治学院大学(東京都港区)の大学ブランド。
明治学院大学公認ボランティアファンド支援グッズのネクタイ。4種類のタイプがあり、いずれもイエロー・ブラック・ホワイトを組み合わせたストライプ柄のネクタイで、シルク100%。価格は、各4300円(税込)。株式会社明治学院サービス取り扱い。
(注)記載内容は事典編集当時(2010年2月)のものです。内容・価格等はその後に変更になった場合もあります。

ネクタイ

[服装]
慶應義塾大学(東京都港区)の大学ブランド。
慶應義塾公式グッズのネクタイ。150年記念ロゴマークがあしらわれている。慶應義塾のカラーであるBRB(ブルー・レッド・ブルー)のほかイエロー・ネイビー・ブルーのデザインのものがある。価格は、各5000円(税込)。慶應義塾取り扱い。
(注)記載内容は事典編集当時(2010年2月)のものです。内容・価格等はその後に変更になった場合もあります。

ネクタイ

[服装]
立命館大学(京都府京都市北区)の大学ブランド。
2007(平成19)年制定のコミュニケーションマークが入ったネクタイ。エンジ色に紺色ストライプ、紺色にエンジ色ストライプ、エンジ色に水玉の3種類がある。価格は、各3150円(税込)。立命館オンラインショップ取り扱い。
(注)記載内容は事典編集当時(2010年2月)のものです。内容・価格等はその後に変更になった場合もあります。

ネクタイ

[服装]
龍谷大学(京都府京都市伏見区)の大学ブランド。
大学オリジナルグッズのネクタイ。校章が刺繍されている。価格は、1本3000円(税込)。龍谷大学生活協同組合取り扱い。
(注)記載内容は事典編集当時(2010年2月)のものです。内容・価格等はその後に変更になった場合もあります。

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