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ネコザメ Heterodontus japonicus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ネコザメ
Heterodontus japonicus

ネコザメ目ネコザメ科の海水魚。全長 1.2m。体に比べて頭部が大きく,ネコの頭を思わせるのでその名がある。体は茶褐色で,濃褐色の幅広い横帯がある。眼の後下方呼吸孔があり,二つの背鰭のそれぞれに大きなとげがある。産卵期は春から夏。卵殻は螺旋状の特殊な形をしている。歯が非常に強く,サザエの殻さえ割るためサザエワリと呼ぶ地方がある。肉は練製品の原料とされる。本州中部から東シナ海の沿岸に分布する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ネコザメ
ねこざめ / 猫鮫
horn sharkPort Jackson shark
[学]Heterodontus japonicus

軟骨魚綱サメ目ネコザメ科に属する海水魚。本州中部以南の日本各地、朝鮮半島南部などの沿岸に分布する。体が比較的短くて頭が丸みを帯びていること、背びれに強い棘(とげ)があること、臀(しり)びれがあることなどが特徴。ツノザメ類以外で背びれに棘をもつ唯一のサメである。また、骨格系や歯の形がほかの現生のサメとは異なり、中生代の地層から発見されたハイボーダス類とよく似ている。このような形質からネコザメ類は中生代のサメの遺存種と考えられている。ネコザメ類は属名をHeterodontus(異歯(いし)ザメ類の意)といい、その名のとおりあごの前部の歯と後部の歯の形態が大きく異なっている。すなわち、前部の歯はとがっており、餌(えさ)をとらえるのに適しているが、後方の歯は肥大化して互いに密着している。ネコザメは別名サザエワリともいわれるが、サザエのような殻の堅い貝類も後方の歯で割って肉を食べる。生殖は卵生で、周囲に螺旋(らせん)状のひだをもった特殊な形の卵を3、4月ごろに産み、子は約1年かかって15~20センチメートルに成長して孵化(ふか)、全長約1メートルになる。
 ネコザメ科には世界の海域から8種が知られ、日本近海にはネコザメのほかにシマネコザメH. zebraが生息する。シマネコザメは南日本から南シナ海を経て東インド諸島に分布する。頭はネコザメほどは鈍くなく、また体にある暗色横帯はネコザメよりはるかに多く、かつその幅が狭いことで区別できる。刺網やトロールなどで漁獲され、練り製品の原料などにされる。[仲谷一宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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