ネット依存(読み)ねっといぞん(英語表記)internet addiction

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ネット依存
ねっといぞん
internet addiction

インターネット(スマートフォンを含む)の使用を自分の意志でコントロールできない状態のこと。インターネット依存症の略で、インターネット中毒やネット中毒、ケータイ依存、スマホ依存などもほぼ同義である。チャット、掲示板、オンラインゲーム、ソーシャルメディアなどの浸透やスマートフォンの急速な普及によって利便性が向上する一方、インターネットの長時間利用が実生活に支障をきたしている。2013年の段階で世界的に認定されたネット依存の診断基準はない。また、ネット依存傾向がみられることが、そのまま病的な精神疾患や行為嗜癖(しへき)などとして治療が必要な状態とは、かならずしも判断できない。専門家による治療が必要かどうかは、本人がインターネット利用を優先することによって、自身の生活時間をコントロールできなくなると同時に、インターネットや携帯情報端末を取り上げた際にパニックになったり、何とかして情報端末に触れようと探索行動をはじめたりするような症状があるかどうかが判断の目安になる。
 ネット依存という概念は1990年代にアメリカで提起され、1998年にアメリカの臨床心理学者ヤングKimberly S. Youngが『インターネット中毒』Caught In The Netを刊行し、このなかで強迫性ギャンブル依存症の診断基準を参考に、ネット依存についての診断基準を示した。総務省が2013年(平成25)6月に発表した「青少年のインターネット利用と依存傾向に関する調査」でも、この診断基準が採用され、たとえば「気がつくと、思っていたより長い時間ネットをしていることがあるか」「ネットを長く利用していたために、家庭での役割や家事(炊事、掃除、洗濯など)をおろそかにすることがあるか」などの20項目の質問に対する回答に基いて、依存の度合いが計測された。
 なお、同調査は小学4年生から25歳の社会人まで約2600人に対するオンラインアンケートで、「自分はネット依存だと思う」と回答した人の割合は28.0%、「ネットを利用するために犠牲にしている時間がある」(同57.2%)、短くなったのは「睡眠時間」(同37.1%)、「勉強の時間」(同31.9%)という結果であった。また、厚生労働省研究班が2013年に全国10万人の中学・高校生を対象にした調査結果によれば、ネット依存傾向を示す生徒が8.1%に上ったことから、全国では51万人以上の中学・高校生がネット依存であると考えられる。また、2008年度に同省が実施した20歳以上の男女7500人を対象とした同様の調査から、成人だけで全国に約270万人以上、依存傾向を示す人がいると推計されている。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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