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ノルム
火成岩の化学組成を標準ノルム鉱物分子で表現したもの.岩石の酸化物の状態とした化学組成から計算する[Cross, et al. : 1902].この方法は理想的な状態ならば岩石から形成されると期待される鉱物種に化学成分を割り当て,その鉱物種と量を計算する方法である[Holmes : 1930, Johannsen : 1931].ノルムは4人の考案者の名を冠してCIPWノルムと呼ぶことがある.この方法で計算された鉱物種をノルム(Normative)鉱物または標準(standard)鉱物と呼び,実際に存在する鉱物(mode)と区別する.ノルム計算により得られた鉱物種の量比は現在でも利用されているが,この計算結果はあくまで化学分析の結果以上のものは示していない[鈴木 : 1994].4人の岩石学者たちは,このノルム鉱物の量比によって岩石の分類を試み,非常に細かい岩石の区分を行った.しかし現在この分類法は使われていない.CIPW分類法を見よ.ラテン語のnormaは規則,標準などの意味.
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
ノルム
〘名〙 (norme・Norm)
規範。
法則。準則。
※「文化主義」の論理(1919)〈左右田喜一郎〉一「『
アプリオリ』は内容を純化する過程に於てその一方的高昇の極限概念として見らるべき『イデー』であり〈略〉『ノルム』(規範)である」
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出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ノルム【norm】
岩石の化学組成をあらかじめ定められているノルム鉱物(標準鉱物)の重量比で表したもの。ノルム鉱物は火成岩中によく出現する鉱物のなかで比較的化学組成が単純なものを,微量成分などを除いた簡単な形で表したものである。それらを,化学分析の結果得られた岩石の総化学組成をもとに定められた規則に従って順次計算していく。この方法は,1902年にアメリカの岩石学者クロスW.Cross,イディングズJ.P.Iddings,ピアソンL.V.Pirsson,ワシントンH.S.Washingtonの4人により,火成岩をノルムをもとに分類する目的で提案されたもので,4人の頭文字をとってCIPWノルムと呼ばれている。
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