日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハンプトン(Lionel Hampton)
はんぷとん
Lionel Hampton
(1913―2002)
アメリカのジャズ・ビブラホーン(バイブ)、ドラム、ピアノ奏者、歌手。ケンタッキー州ルイビル生まれ。アラバマを経てシカゴで育った。少年時代にさまざまな打楽器とザイロホーン(木琴)を学ぶ。15歳からドラム奏者として地方の楽団に参加。1928年カリフォルニアに移住し、レス・ハイト楽団などに加入する。30年ルイ・アームストロングの録音に参加したとき、ルイにすすめられてバイブを弾いたことからバイブ奏者に転向した。34年、自身の楽団を結成。36年から40年までベニー・グッドマン・カルテットのメンバーとしても活躍。その間に自身の録音も行い、多数の名演盤を残した。40年9月ビッグ・バンド結成。激しくジャンプする黒人色の濃い演奏で人気をよび、『フライング・ホーム』Flying Home(1943)、『ハンプズ・ブギウギ』Hamp's Boogie Woogie(1944)などが大ヒットとなる。以来さまざまなジャズメンと共演、バイブをジャズ楽器として定着させた巨人として知られる。95年に豪華ゲストを迎えたアルバム『音楽の愛のために』For the Love of Musicが評判になった。
[青木 啓]
『Lionel Hampton, Jim HaskinsHamp ; An Autobiography(1993, HarperCollins)』