翻訳|biome
アメリカの生態学者F.E.クレメンツとV.E.シェルフォードによって1939年に提唱された概念。そのころまで植物群落と動物群集とは別個にとらえられて研究されていたが,彼らは植物と動物の関係にも注目して,両者を含めた生物群集として考える必要性を説き,そこに有機体的なまとまり,または全体性を考えた。このまとまりを重視すると,生物群集の単位は相当に広い地域にわたるものでなければならなくなる。彼らはこの単位として,気候的特性によって認識され,一定の相観をもつ植物の群系に対応する規模のものを想定し,それをバイオームと呼んだのである。その後,類似の概念として生態系が普及するにつれてあまり用いられなくなった。
→生態系 →生物群集
執筆者:浦本 昌紀
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…植物生態学者であるクレメンツは,1930年ころから動物生態学者であるシェルフォードV.E.Shelfordとの共同研究で,動植物を分離しない〈生物生態学〉という新しい生態学の分野を開拓した。彼らは生物共同体の地域的な単位をバイオームbiomeと名づけ,それはあたかも生物の個体と同じような高度の有機体と考えた。すなわちバイオームは生まれ,成長し,成熟し,そして死ぬとし,群集有機体論を展開した。…
…植物生態学者であるクレメンツは,1930年ころから動物生態学者であるシェルフォードV.E.Shelfordとの共同研究で,動植物を分離しない〈生物生態学〉という新しい生態学の分野を開拓した。彼らは生物共同体の地域的な単位をバイオームbiomeと名づけ,それはあたかも生物の個体と同じような高度の有機体と考えた。すなわちバイオームは生まれ,成長し,成熟し,そして死ぬとし,群集有機体論を展開した。…
※「バイオーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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