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グエン(阮)朝ベトナム第13代皇帝。在位1925-45年。本名はグエン・フォック・ディエン(阮福晪)Nguyen Phuoc Dien。12代カイディン(啓定)帝の長子で,1922年より宗主国のフランスで教育を受け,25年父帝の死により即位。32年にようやく帰国し,まずファム・クインらを用いて機構改革を行うが,成果をみないままに第2次大戦を迎えた。45年3月9日,在仏印日本軍は対仏クーデタ(三・九クーデタ)を起こしてフランス領インドシナを解体し,旧アンナン,トンキン,コーチシナを統一,バオダイ皇帝を元首とし,チャン・チョン・キムを首相とするベトナム帝国を成立させたが,国家としての実質はなかった。日本軍の降伏に続く8月革命の勝利の前の45年8月26日,バオダイはベトミンの使節チャン・フイ・リエウに伝世の宝刀を渡して退位を宣言した。グエン朝の最後である。その後,バオダイはホー・チ・ミン政府の政治顧問となったが,46年に香港に退隠した。49年,第1次インドシナ戦争に苦戦するフランスは再びバオダイをかつぎだし,3月8日オリオール大統領とバオダイがフランス・ベトナム協定に調印,親仏傀儡(かいらい)国家バオダイ・ベトナム国がつくられた。54年のジュネーブ協定は北緯17度線を境に北をベトナム民主共和国,南をバオダイ・ベトナム国の統治にゆだねた。しかしアメリカの支援を受けた新首相ゴ・ディン・ジェムは55年10月の国民投票でバオダイを倒し,ベトナム共和国を建設した。以後,バオダイはその政治的生命を失った。
執筆者:桜井 由躬雄
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1914~97(在位1926~45)
ベトナム阮(グエン)朝の最後の皇帝。1945年のベトナム民主共和国の樹立時に退位を宣言するが,インドシナ戦争中に民主共和国への対抗を図るフランスに擁立され,49年からベトナム国元首となる。55年にゴ・ディン・ジエムにより排斥された。
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【第1次インドシナ戦争】
19世紀末以来,上記3国はフランスの植民地下にあったが,第2次大戦中は日本軍が進駐していた。1945年3月,日本軍はクーデタによってフランス勢力を倒し,かわってベトナムのバオダイ帝,カンボジアのシアヌーク王,ラオスのシー・サワン・ウォン王を擁立して独立させた。同年8月日本軍が降伏するや,ベトナムでは反日抵抗組織ベトナム独立同盟会(ベトミン)が,インドシナ共産党の主導の下に各地でバオダイ政権からの奪権闘争を行い,9月2日ベトナム民主共和国を樹立した。…
… 40年日本軍がインドシナに進駐するや,共産党はバクソン蜂起によって軍事組織をつくる一方,翌年ベトミン(ベトナム独立同盟会)を結成して,日・仏二重支配に抵抗した。45年三・九クーデタにより日本軍はフランス領インドシナを解体し,バオダイ帝の独立を認めたが,もはや封建王朝ではベトナム人の支持を得られなかった。おりから日本軍の調達や天災,南北途絶により北部に200万人が餓死するという大飢饉が起こった。…
※「バオダイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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