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バオバブ Adansonia digitata; baobab tree; monkey bread

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バオバブ
Adansonia digitata; baobab tree; monkey bread

パンヤ科の高木乾季には葉を落す。熱帯アフリカサバナを代表する樹木で,下ぶくれのとくり形のは高さ 20~22mであるが,直径 10mに達する。材は柔らかくて軽いが,樹皮から強い繊維をとり,またタンニン原料ともする。アフリカにおける樹木崇拝の代表的な樹木で,樹齢 5000年に達するものも知られ,多くの伝説がある。また幹に穴をあけて居住したり,死者を葬ることもあるという。葉は3~7小葉から成る掌状複葉。花は頂生し,直径 15cmほどの白色5弁花で,長い柄で垂れ下がる。果実は長さ 30~45cm,径 18cmに達するキュウリのような形の液果で,酸味があり,食用および飲料にする。内部にクルミ大の褐色の種子がある。スリランカ (セイロン島) やフロリダ南部で栽培されている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

バオバブ

パンヤ科の高木で、アフリカ内陸部やマダガスカルなどのサバンナに生える。幹の高さは最大約20メートル、直径は10メートルほどになる。葉は幹の上につくが乾期落葉する。老樹は幹の中が空洞になるという。

(2015-03-12 朝日新聞 朝刊 2外報)

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デジタル大辞泉の解説

バオバブ(baobab)

パンヤ科の高木。アフリカのサバンナにみられ、高さ約20メートル。幹は直径5メートルを超え、とっくり状になる。葉は3~7枚の小葉からなる。乾季には落葉。白色の5弁花が垂れ下がって咲き、楕円状の実ができる。果肉・種子を食用。

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百科事典マイペディアの解説

バオバブ

熱帯アフリカのサバンナ地帯にはえるパンヤ科の高木。上下ひっくり返したような奇妙な樹形大木になることで知られる。幹は高さ20m,直径は異常に太くて10m近くに達する。

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世界大百科事典 第2版の解説

バオバブ【baobab】

アフリカの乾燥したサバンナ林地帯に分布するキワタ科の高木で,その特異な樹形とさまざまな有用性で知られる。高さ十数m,直径が10mにも達する円筒形の幹をもち,その先に密に枝を茂らせるので,乾期に落葉している状態はよく〈巨人が幹をつかんで地中から引き抜き,さかさまに置きかえたようだ〉と形容される。根は50m四方に張る。老樹は幹の中が空洞になって年輪を数えられないために,樹齢の推定は困難だが,数百年は生きるものと思われる。

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大辞林 第三版の解説

バオバブ【baobab】

パンヤ科の高木。アフリカのサバンナ林地帯に分布。幹は徳利のような形で高さ約20メートル、径約10メートルに及ぶ。葉は幹の上部につき、乾期に落葉する。花は白色大形。果実はヘチマのように垂れ下がり、かたい。果肉は食用・調味料とする。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バオバブ
ばおばぶ
baobab

バオバブの名はスワヒリ語名に由来し、バオバブ属Adansonia植物の総称として用いられる場合もあるが、普通は熱帯アフリカ原産のディギタータ種A. digitata L.をさす。ディギタータ種は幹の太い独特な樹形の落葉高木で、その姿は逆さまに植えられたニンジンと形容される。樹高18メートル、幹の直径9メートルに達し、樹齢2000年と推定される巨木も知られている。葉は掌状複葉で、枝の先端につき、小葉は5~7枚あり、長さ約12センチメートル。花柄は長く、下垂し、径15センチメートルの白色の5弁花をつける。雄しべは多数あり、基部が筒状に癒合し、パフ状となる。果実は長径10~40センチメートルの楕円(だえん)形で、細毛の密生した堅い外果皮で覆われ、内部にはパルプ状の果肉で包まれた径1センチメートルほどの種子が多数ある。原産地では、酸味のある果肉が清涼飲料水に用いられるほか、若葉は食用、種子は食用・薬用、樹皮は繊維料として利用されている。
 バオバブ属には、本種のほかマダガスカルに6種、オーストラリアに2種が知られている。マダガスカル産のA. za H. Bn.やA. fony H. Bn.およびA. grandidieriのみごとなとっくり形の樹形は、本属のなかでもとりわけ特異なものである。[吉田 彰]

利用

アフリカの先住民はバオバブを保護下に置き、多目的に利用する。堅い果実は容器に使う。種子の周りのパルプ質は酒石酸などを含み、甘酸っぱく、そのまま食べたり、水に溶かして清涼飲料をつくる。ビタミンCも多い。また、ゴムの凝固剤にも使われ、牧畜民は牛乳に混ぜて凝固させ、食用にし、燃やしてアブなどの害虫からウシを守った。高熱時の発汗剤として熱冷ましに利用した。種子は砕いて炊き、粥(かゆ)にしたり、ミレットと混ぜてミールにした。オーストラリアの先住民もアダンソニア・グレゴリーA. gregorii F. v. Muellを生食あるいは炒(い)って食用にした。種子は油脂に富み、それからバオバブオイルがとれる。黄色い不乾性油で、風味があり、せっけんの原料にもされた。若い葉はシチューを濃くするのに用いられる。アフリカやマダガスカルではロープや馬の腹当、民族楽器の弦に使われ、カメルーンでは皮なめしのタンニン剤として利用された。アフリカでは古い樹洞を食料の貯蔵庫や死体をミイラにするのに利用した。オーストラリアでは先住民が乾期にスポンジ状の木部をかじり、水分を得た。現在東アフリカでは、移動を制限された保護域内のアフリカゾウが、乾期に牙(きば)で幹を傷つけ、水分の供給源にしている。[湯浅浩史]

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