翻訳|Bahamas
基本情報
正式名称=バハマ国Commonwealth of the Bahamas
面積=1万3943km2
人口(2010)=35万人
首都=ナッソーNassau(日本との時差=-14時間)
主要言語=英語
通貨=バハマ・ドルBahamian Dollar
バハマ諸島のうち,南東部のタークス・カイコス諸島を除く島々で構成される群島国家。
バハマ諸島のサン・サルバドル島は1492年,コロンブスが〈発見〉した最初の島といわれる。しかしスペイン人は原住民をイスパニオラ島の鉱山と農園の労働に狩り出すだけで,バハマ自体の植民に関心を示さなかった。17世紀後半にバミューダ島のイギリス人が植民を開始した。その後の2世紀は海賊と奴隷貿易の中心地となり,フランス人,スペイン人,アメリカ人等の進出が相次ぎ紛争が絶えなかったが,1783年ベルサイユ条約によりイギリス領となった。1964年,初めて自治政府がおかれ,漸次自治権が拡大していったが,72年の総選挙で圧勝した進歩自由党の政権下で独立への道が固められた。73年7月10日独立を達成,9月には国連に加盟したほか,米州機構,IMF,世界銀行,米州開発銀行等の国際機関に加わっている。イギリス連邦の一員。イギリス女王を元首とする立憲君主国で,女王名代の総督が形式上統治している。議会は二院制で,任命制の上院16名と選挙制の下院40名で構成される。議院内閣制をとり,首相は下院の多数党党首が総督によって任命され,内閣を組織する。主要政党は進歩自由党,自由国民運動党である。国内政情は安定しており,与党の進歩自由党は1968年以来,引き続き政権を担当していたが,1992年の選挙で自由国民運動党が政権を奪取し,麻薬関連の犯罪の一掃と国営企業の民営化などの課題に取り組んでいる。
対外関係では,近隣諸国をはじめ,経済関係の深いアメリカ,イギリスとの友好・協調路線を基軸としている。人種構成はアフリカ系黒人か80%,ヨーロッパ系白人が20%である。主要言語は英語で,住民の大部分が英国国教会を中心とするキリスト教徒である。
この国の経済は,快適な亜熱帯性気候,白砂の海岸とサンゴ礁の美しい風光に恵まれた観光産業に大きく依存し,政府歳入の半分以上,全雇用の3分2,外資収入の半分がこの部門に頼っており,これを基盤にバシマはカリブ海諸国中最高の生活水準を享受している。他方,所得,法人,不動産,相続等の諸税を免除する〈タックス・ヘイブン〉政策のため,多数の銀行,会社等が事業所を開設し,活発な国際金融センターとなっている。通貨はバハマ・ドルでアメリカ・ドルと等価で連動している。1995年の1人当り国民総生産は1万1940ドルで,ラテン・アメリカ,カリブ海諸国の中でも最高の水準を達成している。また,産業促進法が定められ,認可企業には輸入税や収益税を免除するなど,外資への優遇措置をとっており,グランド・バハマ島のフリーポートに設定された自由貿易地域は,外国資本による石油精製基地をはじめ,セメント,ラム酒,製薬,製塩,食品などの一大加工貿易センターとなっている。
執筆者:橋本 芳雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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