バルサム(その他表記)balsam

翻訳|balsam

デジタル大辞泉 「バルサム」の意味・読み・例文・類語

バルサム(balsam)

植物から分泌される粘りけのある液体樹脂精油との混合物で、香料塗料などに利用される。松やにカナダバルサムなど。

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精選版 日本国語大辞典 「バルサム」の意味・読み・例文・類語

バルサム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] balsam ) 植物から分泌される天然樹脂揮発性油との混合物。松やに・カナダバルサム・ペルーバルサムなど、香料や天然樹脂として利用される。バルセム。バルサモ。〔舶来語便覧(1912)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「バルサム」の意味・わかりやすい解説

バルサム
balsam

樹木から自然に,あるいは人工的に傷をつけたときに流れでるやに。樹脂が精油にとけているものであり,一般に流動性が長く保たれるものが多い。これらは地名または樹種名をつけて呼ばれる。カナダバルサムは北アメリカのバルサムモミAbies balsamea Mill.やツガ・カナデンシスTsuga canadensis Carr.からえたもので,レンズ接合剤などに使われる。ペルーバルサムは南アメリカのミロキシロン・ペレイラエMyroxylon pereirae Klotsch.から,トルーバルサムも同属のトルイフェラムM.toluiferum H.B.K.から,コパイバルサムは南アメリカやアフリカのコパイフェラ属Copaiferaから,それぞれえたものである。これらはいずれも香油,香膏として皮膚病の治療に使われる。balsamにはbalm(鎮痛剤)の意味もある。
樹脂
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百科事典マイペディア 「バルサム」の意味・わかりやすい解説

バルサム

植物体から自然にまたは傷をつけると分泌するやに。精油に天然樹脂が溶解または混合した流動性ないし粘稠(ねんちゅう)な液体で,地名や樹種名を冠してカナダバルサム,トルーバルサム,ペルーバルサムなどと呼ばれる。水蒸気蒸留などにより精油と樹脂を分離し,レンズの接合剤,香油,香膏などの用途に向ける。
→関連項目エルサルバドル樹脂

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バルサム」の意味・わかりやすい解説

バルサム
balsam

樹木から天然に,あるいは樹皮に傷をつけて分泌された粘稠性の樹脂。天然樹脂 (レジン) がオイルエステル (精油) の中で溶液またはエマルジョン (乳濁液) になっているもの。普通,生木からとれる半液体状の分泌物をさすが,固体のものも含む。一般に水に不溶,アルコールにほとんど溶解する。接着剤,塗料,テレビン油に利用されるほか,一部の芳香性樹脂は香料,香気保留剤として使われる。中央アメリカに産するペルーバルサム,南アメリカ北部に産するトルーバルサムが有用である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バルサム」の意味・わかりやすい解説

バルサム
ばるさむ
balsam

天然樹脂の一つ。針葉樹から分泌される粘い液体で、固形樹脂(天然樹脂)が揮発性の精油に溶けた形になっている。オレオレジンoleoresinともいう。精油を分けるには水蒸気蒸留によるのが普通である。北アメリカのバルサムノキから産するカナダバルサムは光学材料に用いられ、ジャワ島や中国に産するグルユンバルサムは医薬、塗料に、アラブ諸国やエチオピアに産するメッカバルサムは香料や医薬に用いる。

[垣内 弘]

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化学辞典 第2版 「バルサム」の解説

バルサム
バルサム
balsam

針葉樹から分泌される粘ちゅう性の液体で,固形樹脂が揮発性油に溶解しているもの.たとえば,ペルーバルサムトルーバルサムカナダバルサム安息香などがある.香料,香気保留剤などに用いられる.

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栄養・生化学辞典 「バルサム」の解説

バルサム

 含油樹脂,オレオレジンともいう.樹木や植物から得る油性の浸出液で,芳香をもつ樹脂状の物質をいう.カナダバルサムは接着剤などに使い,ペルーバルサムは傷の治療などに用い,トルーバルサムは去痰剤などに用いる.

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