デジタル大辞泉
「バンアレン帯」の意味・読み・例文・類語
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バンアレン‐たい【バンアレン帯】
- 〘 名詞 〙 ( バン=アレンは Van Allen 発見者の名 ) 赤道付近の上空数千キロメートルおよび二万キロメートルの一帯にあって地球をドーナツ状に二重にとりまき、放射能強度が極大に達している領域。宇宙から飛来する高エネルギーの陽子や電子が地球磁場にとらえられて形成される。バン=アレンによって一九五〇年代に存在が予想されたが、一九五八年、人工衛星によって確認され、構造が明らかとなった。放射線帯。
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バンアレン帯
バンアレンたい
Van Allen radiation belts
赤道上空を中心に地球を取り巻く放射線の強い二重のドーナツ状の領域。人工衛星『エクスプローラ』1号に積んだ計器によって,1958年にジェームズ・アルフレッド・バンアレンが発見した。当初は地上数千kmの高さの内帯と約 1万kmの高さの外帯の 2層からなるとみられていたが,その後,内帯は地球半径の約 1.5倍(地表面から約 3200km)に中心をもち高エネルギー粒子が陽子によって形成されること,外帯の中心は地球半径約 3.5倍にあり電子によって形成されることが明らかになった。電子は太陽からのもの,陽子は宇宙線から飛来し地球磁場に捕捉されたものと推定され,地磁気の磁力線に沿って南と北の間を運動している。極地で磁力線に沿って大気の中に入ってきた粒子がオーロラの成因になる。
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「バンアレン帯」の意味・わかりやすい解説
バンアレン帯【バンアレンたい】
放射線帯とも。赤道上空を中心に地球をドーナツ状にとりまき高エネルギー粒子が多量に存在している領域。1958年エクスプローラー1号の観測結果から米国のバン・アレンVan Allenが発見。内帯と外帯とがあり,前者は赤道上で高度2000〜5000km,後者は高度1万〜2万km。高エネルギー粒子はほとんど陽子と電子からなり,内帯には陽子が,外帯には電子が多い。成因は宇宙線によって大気分子からたたき出された粒子が地球磁場に捕捉されたものとされている。地球以外にも木星,土星などに存在することが認められている。
→関連項目国際地球観測年
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法則の辞典
「バンアレン帯」の解説
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世界大百科事典(旧版)内のバンアレン帯の言及
【放射線帯】より
…地球磁場にほぼ定常的に捕捉されたエネルギーの高い粒子群の総称で,約1000kmの高度から地心距離約10RE(REは地球半径)にわたる領域に存在する(図)。1958年に打ち上げられたアメリカの最初の人工衛星エクスプローラー1号から3号,パイオニア3,4号などの初期の人工衛星観測により,バン・アレンJames Alfred Van Allenのグループがその存在を明らかにしたので,バン・アレン帯とも呼ばれている。地球の周辺に,地表の自然放射線強度の1億倍以上もの放射線帯が存在することは,それまでまったく予想されておらず,衛星観測初期の重要な発見の一つとして注目された。…
※「バンアレン帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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