ヒッコリー(その他表記)hickory
mockernut(hickory)
Carya tomentosa (Poin) Nutt.(=C.alba K.Koch, non Nutt.)

デジタル大辞泉 「ヒッコリー」の意味・読み・例文・類語

ヒッコリー(hickory)

クルミ科の落葉大高木。葉は羽状複葉。5、6月ごろ、雄花雌花とが咲く。果実は長楕円形で、ペカンといい、食用にする。材は家具スキー板などに使用北アメリカ原産

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精選版 日本国語大辞典 「ヒッコリー」の意味・読み・例文・類語

ヒッコリー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] hickory ) 植物「さわぐるみ(沢胡桃)」の英語名。公園樹・庭園樹としてよく見られ、材は良質の家具や体操器具・スキー板に、果実はペカンといって食用になる。
    1. [初出の実例]「極上のヒッコリーや、締金や」(出典:弔花(1935)〈豊田三郎〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「ヒッコリー」の意味・わかりやすい解説

ヒッコリー
hickory
mockernut(hickory)
Carya tomentosa (Poin) Nutt.(=C.alba K.Koch, non Nutt.)

北アメリカ原産のクルミ科の高木で,日本にも植栽される。材はスキーの板などに使われた。若枝や葉軸には腺毛があり,芳香がある。葉は羽状複葉で,5~7枚の小葉がある。雄花序は分枝する尾状花序で,新枝の基部に出る。雌花は新枝の先端に短い花序をなす。雌花の外面は薄緑色で毛があり,上部には,三角状の小苞,花被片よりなる4突起に囲まれて,濃赤色のめしべがある。果実はほぼ球形で,4本の縦のくびれがあり,熟すとこの線に沿って割れ,核を出す。核は楕円形で,殻は厚く堅く,下端はとがり,上端には花柱の痕跡を残す。内部は不完全な仕切りがあり,下部は4室,上部は2室となる。1種子があり,胚乳はなく,子葉が複雑に折りたたまれている。アメリカ合衆国東部に産する。材は強靱で,とくに曲げや衝撃に対する抵抗が強く,加工も容易で重要な環孔材である。運動具,器具(ハンマーや斧など衝撃具の柄),車両,家具,建築などに重用される。種子は甘く,脂肪に富み,ナッツとして市販される。同属のペカンは核の殻が薄く,種子も大きく,より重要なナッツである。

 カリア属Carya(英名hickory)は北アメリカ大陸に約20種が産するほか,中国に1種が隔離分布する。クルミ属に似ているが,果実の外皮が規則的に割れて核を出し,雄花序が分枝するなど,かなり異なった形態をもつ群である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒッコリー」の意味・わかりやすい解説

ヒッコリー
ひっこりー
hickory

クルミ科(APG分類:クルミ科)カリア属Caryaに含まれる樹木の一般名。ペカンをはじめ数種からなる。おもな種の原生地は北アメリカで、中国にも分布する。材はスキー、家具その他に使われ、殻果はナッツとして利用される。

[飯塚宗夫 2020年2月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒッコリー」の意味・わかりやすい解説

ヒッコリー
hickory

北アメリカ産のクルミ科の落葉高木であるペカン属 Caryaの数種の材の総称。材質が緻密で,強く弾性があり,建築,家具,工芸材のほか,特にスキー用材として有名である。種により材質も異なり,カルヤ・ラチニオサ C. laciniosa; big shellbark hickory,カルヤ・オバタ C. ovata; shagbark hickory,カルヤ・トメントサ C. tomentosa; big-bud hickoryなどがある。

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百科事典マイペディア 「ヒッコリー」の意味・わかりやすい解説

ヒッコリー

クルミ科の落葉高木。北米東部原産で,日本でも各地に植えられ,東北地方以北ではよく生育する。葉は毛があり,奇数羽状複葉で,小葉は5〜7枚,頂小葉は大きい。雌雄同株。5月開花。果実は長楕円形で大きい。材は家具や建築に重用,スキー材として多く用いた。近縁のいくつかの種類もヒッコリー材として用いられる。果実を食用とするペカンも近縁種。

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