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ビヤーサ Vyāsa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ビヤーサ
Vyāsa

インドの伝説的聖仙。ビヤーサとは「編纂者」の意。ベーダ聖典の編纂者,叙事詩マハーバーラタ』の著者とみなされ,また叙事詩自体のなかにも重要人物として登場。バラタ族の王シャーンタヌはヤムナー川の水辺で見た少女サティヤバティーに魅せられて,妻として迎えたいと望んだが,彼女はすでに巡礼の途上で出会ったパラーシャラ仙人と恋に落ち,子供をもうけていた。それがビヤーサであり,『マハーバーラタ』の英雄たちの祖父となる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ビヤーサ【Vyāsa】

ベーダを編纂し,《マハーバーラタ》を著述し,諸種のプラーナをも著したとされるインドの伝説上の聖仙。名前は〈編集する〉の意のサンスクリットvy‐asに由来するといわれる。ほかにも彼に帰される書物は多いが,《ヨーガ・スートラ》に対する最古の注《ヨーガバーシャ》(6世紀)などが有名。しかし《マハーバーラタ》にその物語の展開と深くかかわる形で語られる,その書の著者としての伝説が本来のものであり,他の業績はこれに付加されたものといえる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ビヤーサ
びやーさ
Vysa

生没年不詳。古代インドの神話的聖者。サンスクリット語のビヤーサは元来は編者の意味で、どこまで特定の個人をさすかさだかではないが、一般にはベーダ聖典の編者ベーダ・ビヤーサのことをいう。叙事詩『マハーバーラタ』や諸プラーナ(古譚(こたん))などの編者およびベーダーンタ学派の開祖で『ブラフマ・スートラ』の著者と伝えられるバーダラーヤナも、ビヤーサと同一視される。しかし、これは作品の権威を高めるためにそうされたのであろう。[島 岩]

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世界大百科事典内のビヤーサの言及

【プラーナ】より

…サンスクリットで〈古い(物語)〉を意味し,一群のヒンドゥー教聖典を指す。インドの伝承では,チベーダを編纂し《マハーバーラタ》を著述したとされる伝説上の聖仙ビヤーサの作とされ,〈第5のベーダ〉とも呼ばれる。起源は古く,バラモン教時代に伝えられた神々,聖仙,太古の諸王に関する神話,伝説,説話に発すると考えられ,これらは,ベーダの伝承者とは別に存在したとされる職業的語り手の集団によって伝承された。…

※「ビヤーサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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