ビューグル(読み)びゅーぐる(その他表記)bugle フランス語

精選版 日本国語大辞典 「ビューグル」の意味・読み・例文・類語

ビューグル

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] bugle ) サキソホン属の楽器一つコルネットトランペットと同音律で高音部を受け持つ。小ビューグルとビューグルの二種がある。
    1. [初出の実例]「ビュグルは世人の尤も眼につく大喇叭(ラッパ)にて」(出典風俗画報‐三二二号(1905)人事門)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビューグル」の意味・わかりやすい解説

ビューグル
びゅーぐる
bugle フランス語
bugle 英語

唇を発音源とするリップリードの管楽器。金属製で、欧米軍隊などで信号用に使われてきた。ビューグルは「牛に合図するための角笛(つのぶえ)」を意味する古いフランス語で、cor buglerに由来する。18世紀中ごろ、半円状に曲がった管をもつビューグルホルンが生まれ、その後は同系統のホルンとたもとを分かち、各国で独自の改良を施されてサクソルン属の一つとして定着していった。19世紀中ごろに生まれた長い管を2回転させたイギリス式のほか、それにバルブをつけたアメリカ式が現在では普及している。

[藤田隆則]


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百科事典マイペディア 「ビューグル」の意味・わかりやすい解説

ビューグル

金管楽器一種。その名は牧畜狩猟などに用いられた角笛の一種に由来し,軍隊などで使用する弁装置のないらっぱなどもさす。また今日ではサクソルンうちの高音域のものもいい,これはコルネットに近い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビューグル」の意味・わかりやすい解説

ビューグル
bugle

金管楽器の一種。マウスピースのカップにあてた唇の振動で音を出す。現代の軍隊で用いられている無弁の信号用のものは,1750年頃ハノーバー王家の軍隊によって用いられたのが最初で,のちイギリス,ドイツの軍隊が採用した。 18世紀末には多くのビューグル用マーチ曲が作曲された。 1810年にダブリンでキーのあるものが,また同じ頃ドイツで有弁のものが作られ,後者フリューゲルホルンとも呼ばれた。軍楽隊吹奏楽団の高音用サクソルン属として変ロ調のものが用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内のビューグルの言及

【チューバ】より

…その名は古代ローマの軍楽器トゥバから借りているが,19世紀中葉以来の歴史しかない。朝顔状の大きな開口がついた太い円錐管を,扱いやすく巻いて,変音用の弁を3~6個取り付けてあり,管形からはビューグル(元来は角笛の一種。牧畜,狩猟,警備などの信号用)系統の楽器といえる。…

【角笛】より

…中国で軍楽等に用いられた角(かく)や,ユダヤ教のショファル等がそれで,前者は仏画の奏楽場面にも登場し,日本の阿弥陀来迎図にまで及んでいる。洋楽のホルンコルネット等も金属製になってはいるが,角から来た名であり,ビューグルは〈牛飼いの角笛〉という意味のフランス古語に由来している。これらの多くは放牧,狩猟,警備,軍事等に関連して信号用などに,あるいは宗教や呪術に関連して用いられてきた。…

※「ビューグル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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