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ピグー Pigou, Arthur Cecil

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ピグー
Pigou, Arthur Cecil

[生]1877.11.18. ワイト島ライド
[没]1959.3.7. ケンブリッジ
イギリスの経済学者。ケンブリッジ大学キングズ・カレッジ卒業。 1903~04年ロンドン大学講師,04~07年ケンブリッジ大学講師をつとめ,08年 A.マーシャルの跡を継いで 43年まで同大学経済学教授。主著『厚生経済学』 The Economics of Welfare (1920) では,いかにして社会から貧困を追放するかというケンブリッジ学派の問題意識に基づき,社会の経済的厚生の増大に関する理論経済学的分析を展開した。また雇用理論に関する J.M.ケインズとの論争や,その過程で論じられたピグー効果でも有名である。『失業の理論』 The Theory of Unemployment (33) ,『雇用と均衡』 Employment and Equilibrium (41) ほか著書多数。

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デジタル大辞泉の解説

ピグー(Arthur Cecil Pigou)

[1877~1959]英国の経済学者。国民所得の増大と分配の平等化および安定性を基準として厚生経済学創始。著「厚生経済学」「失業の理論」など。

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百科事典マイペディアの解説

ピグー

英国の新古典派の代表的経済学者。ケンブリッジ大学教授。A.マーシャル後継者厚生経済学を築いた。貨幣賃金切下げとそれに伴う物価下落は現金・預金などの資産の価値を高め,その結果貯蓄を減少させ消費を増加させる(ピグー効果)ので失業をなくすことができると唱えケインズと論争。
→関連項目外部性修正資本主義

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世界大百科事典 第2版の解説

ピグー【Arthur Cecil Pigou】

1877‐1959
イギリスの経済学者。イングランドのワイト島に軍人の子として生まれる。A.マーシャルの後継者として1908年に母校ケンブリッジ大学の経済学教授となり,44年まで在職した。また通貨税制などの政府委員会に関与して実際界でも活動している。著書は30冊に近く,パンフレット論文は100編をこえる。彼の名を高めた《厚生経済学》(1920,4版1933)は,社会の経済的厚生ないし福祉を最大にするという目標からみて,自由な市場経済のはたらきはどこまで有効で,どこに欠陥をもつかを明らかにし,それを是正するための経済政策の理論を展開している。

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大辞林 第三版の解説

ピグー【Arthur Cecil Pigou】

1877~1959) イギリスの経済学者。マーシャルの基本的着想を継承・発展させて国民所得の増大・分配・安定について研究。経済的厚生の概念をつくり厚生経済学を創始。失業問題に関しケインズの批判を受け、雇用問題を論争。著「厚生経済学」「失業の理論」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ピグー
ぴぐー
Arthur Cecil Pigou
(1877―1959)

イギリスの経済学者。軍人の家に生まれる。ハロー校、ケンブリッジ大学キングズ・カレッジに学び、1902年同カレッジのフェロー。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ講師、ケンブリッジ大学講師を経て、1908年、師A・マーシャルの後継者としてケンブリッジ大学の(当時ただ一人の)経済学教授に就任(~1943)。この間さまざまな政府関係委員会の委員となり、また非常に多くの著書・論文を著したが、もっとも著名なのは、第一次世界大戦前に刊行された『富と厚生』Wealth and Welfare(1912)を大幅に増補改訂した『厚生経済学』The Economics of Welfare(初版1920、第4版1932)である。同書で彼は、一般的厚生のうち直接間接に貨幣という測定尺度で測りうる部分(より具体的には国民所得によって表現しうるもの)を経済的厚生とよび、他の条件にして等しい限り、(1)国民所得の増大、(2)国民所得の分配の平等化、(3)国民所得の変動の減少は、それぞれ経済的厚生の増大をもたらすという、有名な「厚生経済学の三命題」を提示し、第三命題はのちに『産業変動論』A Study in Industrial Fluctuations(1926)に分離され、第二命題は30年代にL・ロビンズやK・G・ミュルダールによって批判されたりしたが、厚生経済学と今日もよばれている経済学の一分野を創始した。また、『失業の理論』The Theory of Unemployment(1933)は、ケインズ的意味での「古典派」の雇用理論の代表としてケインズによって手厳しく批判されたが、政策提言面では、ピグーは教授就任講演時以来、不況対策としての公共政策の有効性を説き続けており、1920~1930年代の不況時に際して失業対策としてピグーが説いたのは賃金切下げだけだった、という準定説は、事実問題として完全な誤りである。[早坂 忠]
『篠原泰三訳『失業の理論』(1951・実業之日本社) ▽鈴木諒一訳『雇用と均衡』(1951・有斐閣) ▽永田清他監訳『厚生経済学(原書第4版)』全4冊(1953~55・東洋経済新報社) ▽熊谷尚夫著『厚生経済学』(1978・創文社) ▽T・W・ハチスン著、早坂忠訳『経済学の革命と進歩』「第6章」(1987・春秋社)』

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367日誕生日大事典の解説

ピグー

生年月日:1877年11月18日
イギリスの経済学者
1959年没

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世界大百科事典内のピグーの言及

【外部経済・外部不経済】より

…外部効果がもつ重要な経済的意味は市場機構の効率的な運行を妨げ,いわゆる〈市場の失敗〉を生むことである。効率性を回復するための手段として,A.C.ピグーは外部経済を発生する経済主体に補助金を交付し,外部不経済を発生する経済主体に課税することを考えた。市場機構の運行の不効率性を生むこのような外部性は,さらに技術的外部性と名づけられて,金銭的外部性と区別されることがある。…

【経済厚生】より

…〈厚生〉とは人間の幸福もしくは福祉を指すのであるが,とくに経済厚生とは経済的観点からみた厚生を意味する。A.C.ピグーによれば,この経済厚生とは社会を構成する各個人の効用の総和である。しかし,効用の総和を直接に取り扱うことはできないから,彼はそれに対応するものとして国民所得を考えた。…

【ケンブリッジ学派】より

…厚生経済学的に使われた)が増大するため,両者の調和が可能であると考えたのである。これに対し,マーシャルの後継者A.C.ピグーの《厚生経済学》(1920)は,第1次大戦前後のイギリスの経験に立って理論が展開されている。第1次大戦はイギリスの〈世界の工場〉としての地位を決定的にゆるがせてしまった。…

【厚生経済学】より

…規範経済学ともよばれ,所与の価値判断に照らして経済組織の運行機能を評価することを課題とする。経済学のこの分野を初めて体系的に取り扱ったA.C.ピグーの主著《厚生経済学》(1920)の標題に従って,厚生経済学とよばれることが多い。 厚生経済学は,特定の価値判断を提唱ないし主張するものではなく,考察に値すると思われる所与の価値判断の帰結を示すことがその課題である。…

※「ピグー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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