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ピルビン酸 ピルビンさんpyruvic acid

翻訳|pyruvic acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ピルビン酸
ピルビンさん
pyruvic acid

化学式 CH3COCOOH 。焦性ブドウ酸,ピロブドウ酸ともいう。酢酸に似た臭いをもつ液体。沸点 165℃ (一部分解) ,融点 13.6℃。生体内の重要な代謝中間体。ブドウ糖を乾留すると得られ,還元すると乳酸を生じる。またアルコール発酵では糖から嫌気的に生成する。アセトアルデヒドと二酸化炭素になり,アセトアルデヒドがエチルアルコールに変る。筋肉中ではグリコーゲンから生成し,筋肉を動かすと乳酸に変り,休養中に乳酸がピルビン酸に酸化され,さらにグリコーゲンが再生される。

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デジタル大辞泉の解説

ピルビン‐さん【ピルビン酸】

pyruvic acid有機酸の一。酢酸臭のある無色の液体。ぶどう酸か酒石酸を硫酸水素カリウムとともに加熱すると得られる。生体内に広く存在し、物質代謝の中間産物。解糖によって生じ、無酸素状態では還元されて乳酸となるが、有酸素状態ではトリカルボン酸回路に取り込まれる。化学式CH3COCOOH 焦性ぶどう酸。

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栄養・生化学辞典の解説

ピルビン酸

 C3H4O3 (mw88.06).

 2-オキソプロピオン酸ともいう.焦性ブドウ酸は旧称.解糖の最終産物であり,多くの物質代謝の鍵となる物質.

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世界大百科事典 第2版の解説

ピルビンさん【ピルビン酸 pyruvic acid】

ピロブドウ酸,焦性(しようせい)ブドウ酸ともいう。すべての生物に存在する低分子物質。代謝における重要な中間生成物。グルコース(ブドウ糖)代謝においては,嫌気的,好気的両過程とも,ピルビン酸に至る反応経路は同じである(エムデン=マイヤーホーフ経路)。脱炭酸されてアセチルCoAを生成する。アミノ酸の分解においては,セリン,アラニン,システイン,グリシンがピルビン酸を経て代謝される。また,アラニンはピルビン酸から合成される。

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大辞林 第三版の解説

ピルビンさん【ピルビン酸】

生物の体内に広く存在する有機酸の一種。化学式 CH3COCOOH 生体内の代謝過程で基本的な中間生成物。醬油を焦がしたような臭いのある液体で、水に溶ける。酒石酸と硫酸水素カリウムとを混合して乾留すると得られる。焦性ブドウ酸。 → 解糖

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ピルビン酸
ぴるびんさん
pyruvic acid

ケト酸の一種。ブドウ酸(または酒石酸)を硫酸水素カリウムとともに加熱すると得られるので、古くは焦性ブドウ酸とよばれていた。また、2-ケトプロピオン酸ともよばれる。無色で刺激臭をもつ液体で、還元すると乳酸になり、濃硫酸と加熱すると一酸化炭素を放出し酢酸になる。細菌・酵母から動植物に至るまで広く生物体内における物質代謝の中間体として存在するきわめて重要な物質である。[廣田 穰]

生体内のピルビン酸

生物の重要なエネルギー源である炭水化物(グリコーゲン)の分解過程において、解糖や発酵などの嫌気的過程と、好気的過程であるTCA回路の接点に存在し、炭水化物代謝の中心的位置を占める。すなわち、糖類が嫌気的過程でホスホエノルピルビン酸になり、このリン酸転移によりピルビン酸とATPが生成する。ピルビン酸が乳酸デヒドロゲナーゼの作用を受けて乳酸になるのが解糖であり、一度、脱炭酸を受けてアセトアルデヒドとなり次にアルコールとなるのが発酵である。また、ピルビン酸脱水素酵素系の作用によってアセチル補酵素Aとなり、オキサロ酢酸と反応してクエン酸となってTCA回路に入る。ここで好気的分解を受けてエネルギー獲得を行う。アセチル補酵素Aは脂肪酸の合成の中心となる物質でもある。また、グルタミン酸からピルビン酸へのアミノ基転移によってアラニンを生ずる。
 このように、ピルビン酸は生体内で炭水化物をはじめ、脂肪酸やアミノ酸の合成・分解に深く関与している物質である。[飯島康輝]

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