ピルビン酸(読み)ピルビンサン

デジタル大辞泉 「ピルビン酸」の意味・読み・例文・類語

ピルビン‐さん【ピルビン酸】

pyruvic acid有機酸の一。酢酸臭のある無色液体。ぶどう酸か酒石酸硫酸水素カリウムとともに加熱すると得られる。生体内に広く存在し、物質代謝の中間産物。解糖によって生じ、無酸素状態では還元されて乳酸となるが、有酸素状態ではトリカルボン酸回路に取り込まれる。化学式CH3COCOOH 焦性ぶどう酸。

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精選版 日本国語大辞典 「ピルビン酸」の意味・読み・例文・類語

ピルビン‐さん【ピルビン酸】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] pyruvic acid の訳語 ) 生体内でブドウ糖分解して生じる物質代謝の重要な中間化合物。アルファケトカルボン酸の一つ。化学式 CH3COCOOH 酸素が十分あると二酸化炭素と水にまで分解され、ビタミンB1によって促進される。酸素が不足した状態では乳酸(動物)またはアルコール(酵母)になる。焦性葡萄酸

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化学辞典 第2版 「ピルビン酸」の解説

ピルビン酸
ピルビンサン
pyruvic acid

2-oxopropanoic acid.C3H4O3(88.06).CH3COCOOH.焦性ブドウ酸ともいう.生体内の物質代謝過程での重要な中間体で,アラニンの前駆物質とも考えられる.シアン化アセチルを加水分解するか,酒石酸またはブドウ酸硫酸水素ナトリウムと加熱すると得られる.酢酸臭のある液体.融点13.6 ℃,沸点165 ℃(分解),58 ℃(1.3 kPa).1.267.1.4138.K 3.2×10-3(25 ℃).水,エタノール,エーテルに易溶.還元するとD,L-乳酸になる.濃硫酸と加温すると容易に一酸化炭素を放って酢酸となる.有機合成反応,重火傷の軟膏などに用いられる.[CAS 127-17-3]

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改訂新版 世界大百科事典 「ピルビン酸」の意味・わかりやすい解説

ピルビン酸 (ピルビンさん)
pyruvic acid


ピロブドウ酸,焦性(しようせい)ブドウ酸ともいう。すべての生物に存在する低分子物質。代謝における重要な中間生成物。グルコース(ブドウ糖)代謝においては,嫌気的,好気的両過程とも,ピルビン酸に至る反応経路は同じである(エムデン=マイヤーホーフ経路)。脱炭酸されてアセチルCoAを生成する。アミノ酸の分解においては,セリン,アラニン,システイン,グリシンがピルビン酸を経て代謝される。また,アラニンはピルビン酸から合成される。
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栄養・生化学辞典 「ピルビン酸」の解説

ピルビン酸

 C3H4O3 (mw88.06).

 2-オキソプロピオン酸ともいう.焦性ブドウ酸は旧称.解糖の最終産物であり,多くの物質代謝の鍵となる物質.

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