ドイツ南西部、バーデン・ウュルテンベルク州の都市。ニーダーザクセン州のフライブルク・アン・デア・エルベ、スイスのフリブールなど他の同名の都市と区別して、フライブルク・イム・ブライスガウという。人口20万5100(2000)。シュワルツワルト山地の西麓(せいろく)、ライン川支流ドライザーム川の扇状地上の標高278メートルに位置する。商業と地方行政の中心都市であるが、木材加工、家具、化学繊維、電気器具、酪製品などの工業も立地し、第二次世界大戦後は西方のライン低地への市街地拡大が著しい。西郊のカイザーシュトゥール火山(557メートル)斜面で栽培されるブドウを原料とするワインの取引も行われる。総合大学をはじめ、音楽大学、教育大学、造形芸術大学を有する大学都市でもある。また、後期ゴシック様式の尖塔(せんとう)をもつミュンスター教会には、1827年以来、上ライン地方の大司教座が置かれ、宗教都市ともなっている。シュワルツワルト山地観光の基点をなす。環境行政に力を入れており、「環境都市フライブルク」の別名がある。1980年代後半、環境定期券という制度を始めたことでも知られている。これは環境保全を目的に公共交通機関の利用を促進するために、日曜日や祭日に定期券を使用すると本人以外に大人1人と子供4人まで無料で同行できるなどのサービスが受けられるというもの。日本でも90年代後半から東京、神奈川などで導入されている。
1120年ツェーリンガー家コンラート公による自由な建設都市(計画都市)を起源とし、1218年ハルラッハ伯領となるが、1368年以来、とくに1638年から1806年まではハプスブルク家の支配下にあって、その西方政策の拠点としての役割を果たした。
[佐々木博・進藤牧郎]
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ドイツ,バーデン‐ヴュルテンベルク州にある都市。他の同名の都市と区別するために「ブライスガウの」(im Breisgau)を付す。典型的な建設都市で,1120年ツェーリング家のコンラートによって建てられた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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