フリブール(読み)ふりぶーる(英語表記)Fribourg

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フリブール」の意味・わかりやすい解説

フリブール
ふりぶーる
Fribourg

スイス西部、フリブール州の州都。人口3万2096(2001)。ドイツ語名フライブルクFreiburg。町の創設以来、フランス語地域とドイツ語地域の境界がこの町を通り、市民の約4分の1はドイツ語を話す。サリーヌ川に臨む要塞(ようさい)都市として、すでに1157年に立地し、スイスのなかでも古都おもかげをよくとどめている町である。18世紀からの醸造業に加えて、現在は食料品、アルミニウム、電気機器、写真化学、紙製品などの工業が盛んである。この町は工業の中心以上にカトリックの国内の中心であり、これと関係の深い総合大学(1889開設)の所在地で、とくにその神学部(1580創設)は世界的に有名である。また、1283年に建設が始まったサン・ニコラ大聖堂はゴシック様式傑作として一見の価値がある。

 フリブール州は面積1671平方キロメートル、人口23万9100(2001)。スイスの典型的な酪農地域で、グリュイエールのチーズが有名である。

[前島郁雄]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フリブール」の意味・わかりやすい解説

フリブール
Fribourg

ドイツ語ではフライブルク Freiburg。スイス西部,フリブール州の州都。ベルン南西約 30kmのサリーヌ川 (ザーネ川) 沿いに位置する。住民の大部分はフランス語を話す。ローザンヌジュネーブ,フリブール地区の司教座の所在地で,スイスにおけるカトリックの中心地。 1157年にツェーリング家のベルトルト4世が要塞を建設したのが起源。以後キブルク,ハプスブルク家を経て 1452年にサボイア家領となり,76年のブルゴーニュ戦争の結果スイス同盟の一員となった。チョコレートなどの食品工業,醸造業が盛んで,水力発電所が立地し,電機・機械・繊維工業などが行われる。聖ニコラ大聖堂 (13~15世紀) ,ノートル・ダム聖堂 (12世紀) ,市庁舎 (16~17世紀) などがある。人口3万 3913 (1991推計) 。

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