フランス銀行(読み)フランスぎんこう(英語表記)Banque de France(仏)

  • Banque de France
  • Banque de Franceフランス語
  • フランスぎんこう ‥ギンカウ
  • フランスぎんこう〔ギンカウ〕
  • フランス銀行 Banque de France

世界大百科事典 第2版の解説

フランスの中央銀行。1800年,ナポレオン1世の庇護下に,新興商工業者にたいする商業信用供与を目的として,パリに創設された。民間の株式銀行として出発したが,06年から政府任命の総裁・副総裁制が導入され,公的な性格を濃厚に帯びるにいたった。当初はパリ以外に店舗を(一時期を除いて)開かず,また発券特権もパリ地域に限定されていた。しかし48年,恐慌で地方発券銀行が経営危機に陥ったのを機会に,それらの地方銀行を吸収して自己の地方支店にするとともに,発券特権をフランス全土に拡大することを許された。

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大辞林 第三版の解説

フランスの中央銀行。1800年に株式組織の民間銀行として設立され、1945年に国有化された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フランスの中央銀行。1800年2月13日、共和国第一統領ナポレオンの指示によりパリに創設された。無期限の存続特許をもち、資本金3000万フラン、株式3万株からなる株式組織の民間銀行であったが、1806年には総裁と副総裁が大蔵大臣による任命制となり、公的な性格が強くなった。1803年に銀行券発行の独占権を得たが、発行独占がパリからフランス全土に及ぶのは、1848年の二月革命後、九つの地方発券銀行を吸収合併して地方支店としてからである。その後支店網の拡充を図り、19世紀末までには中央銀行としての組織を整えるに至った。フランス銀行の発券制度は、当初は最高発行額制限制度をとっていたが、1928年6月の貨幣法制定により比例準備制度となった。1930年代の大不況期には、金ブロックの中心として最後まで金本位制度維持に努めた。
 第二次世界大戦後、1945年12月に制定された銀行法に基づいてフランス銀行は国有化され、株式は政府所有となった。理事会は、総裁と2名の副総裁、12名の理事で構成されている。フランス銀行は、銀行券の発行のほか、国庫の出納事務や国債事務を取り扱うとともに、政府に対する貸付を行う。また、手形の再割引や貸付を通じて民間にも資金を供与し、その際の公定歩合の変更や、公開市場操作などによって金融政策を遂行している。
 一般に、1999年にヨーロッパ単一通貨ユーロが誕生して以来、ユーロ圏における中央銀行の機能や業務はヨーロッパ中央銀行(ECB:European Central Bank)が一元的に行っていると考えられがちであるが、実際にはそうではない。ECBのみならず、加盟各国の中央銀行をあわせた集合体として構成されるヨーロッパ中央銀行制度(ESCB:European System of Central Banks)が、組織としてユーロ圏における中央銀行制度をなしているのであり、ECBと各国中央銀行の間に組織的な上下関係、ないしは主従関係は認められない。つまり、ESCBを通じて単一の金融政策として行われ、各国中央銀行は、定められた金融政策方針に従って、各国内で金融政策を実施することを任務とすることになっている。したがって、フランスにおける金融政策の実施はフランス銀行が現在も引き続いて行っている。[土方 保・前田拓生]
『H・ジェルマン・マルタン著、塩野谷九十九・大月高訳『フランス』(B・H・ベックハルト編『各国銀行制度概説 上巻』所収・1956・中部経済新聞社) ▽町田義一郎著『フランスの金融制度』(高垣寅次郎監修『世界各国の金融制度 第1巻』所収・1964・大蔵財務協会) ▽河村小百合「欧州債務問題長期化のからくり――欧州中央銀行制度による「隠れた救済メカニズム」と急膨張する各国の負担」(『JRIレビュー 2012』Vol.1, No.1所収・2012・日本総研) ▽Gabriel RamonHistoire de la Banque de France d'Aprs les Sources originales (1929, Bernard Grasset, Paris)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

フランスの中央銀行。一八〇〇年に株式会社として設立され、四八年の二月革命を契機として銀行券の発行を独占する特権を与えられた。一九四五年に国有となる。

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

1800年2月13日,ナポレオン1世が創設したフランスの中央銀行
1803年,法令により銀行券発行の独占権を得た。しだいに地方銀行を抑え,二月革命後,中央銀行としての機能を備えた。

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