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発券制度 はっけんせいど

百科事典マイペディアの解説

発券制度【はっけんせいど】

銀行券発行の独占権を与えられた中央銀行が発券の際守るべき規定は法定されており,その規定による仕組をいう。発券制度そのものは19世紀英国で確立された。保証発行の担保を規定し,強制通用力をもつ銀行券の信頼を確保するとともに,発券量を流通の需要に応じさせることが目的。
→関連項目銀行券

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世界大百科事典 第2版の解説

はっけんせいど【発券制度】

国家が法律によって銀行券の発行限度額を規制するしくみのこと。また,発券制度の概念に本来含まれないが,これと密接に関連する銀行券の準備(発行保証),構成等一連の銀行券発行業務に関する法的規制を合わせ発券制度と総称されることも今日では見受けられる。 近代における発券制度は19世紀にイギリスで確立された。それ以前,イギリスにおいてはイングランド銀行のほか多数の地方銀行がそれぞれに銀行券を発行しており,発行限度額や兌換(だかん)準備については各銀行の独自の判断に任されていた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

発券制度
はっけんせいど

銀行券発行制度」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

発券制度
はっけんせいど
note issuing system

銀行券の発行制度は、歴史的には分散主義と集中主義とがある。初めの銀行券発行は分散主義であって、多くの民間銀行によって行われた。この当時の銀行券は、銀行業者の発行した一覧払いの約束手形として地域的に流通したが、しだいに流通範囲を拡大して流通力を増し、商業手形にかわって使用されるようになった。しかも、発券銀行は支払債務を履行するのに必要な準備金を保有しなければならないが、資本主義経済が発展するにつれて、十分な準備を保有することはできなかった。そのため、多くの国は中央銀行を設立して、銀行券の発行を中央銀行に集中させ、強制通用力を賦与させることになった。これが集中主義である。このように、中央銀行に集中されると、国家は、法律によって銀行券の準備や発行額に規制を加えることになる。この銀行券発行の仕組みが発券制度である。
 近代の発券制度の始まりは、1844年のイギリスのピール銀行条例である。この条例によってイングランド銀行は中央銀行に転化され、多くの民間銀行がもっていた銀行券発行権を漸次吸収することになった。
 発券制度は、銀行券発行額が正貨準備の保有額によって制限されるべきだとする通貨主義と、正貨準備と保証準備とを区別しないで銀行の自由裁量に任せ、発行額に弾力性をもたそうとする銀行主義との論争(通貨論争)とともに発達してきた。
 発券制度を分類すると、次のようになる。
(1)全額正貨準備制度 通貨主義の理想とする発券制度で、発行された銀行券と同額の正貨準備を必要とする。この制度は、通貨価値の安定のためには適しているが、弾力性に欠け現実的ではない。
(2)保証発行直接制限制度 ピール銀行条例によって採用された制度がこれであり、全額正貨準備制度と同じく通貨主義に基づく制度である。正貨準備でなく、商業手形などの保証準備資産によって発行される額にはあらかじめ限度を定め、それ以上の発行には同一額の正貨準備を必要とする制度である。
(3)保証発行屈伸制限制度 通貨主義と銀行主義の中間の制度として保証発行間接制限制度がある。これには保証発行屈伸制限制度と比例準備制度とが含まれる。保証発行屈伸制限制度は、正貨準備のほか保証準備による発行を一定限度まで認め、なお必要があれば制限外発行を発行期間や発行税に一定条件をつけて認める制度である。
(4)比例準備制度 発行総額の一定比率の正貨準備(たとえば3分の1準備など)を必要として、保証発行を間接的に正貨準備で制限する制度である。
(5)最高発行額制限制度 正貨準備と保証準備とを区別しないで、発行額に最高限度を設定する制度である。銀行主義に基づくもので、発券銀行の自由裁量が大幅に認められている。日本は1941年(昭和16)からこの制度をとってきたが、98年(平成10)4月の日本銀行法改正によって最高限度が廃止され、発券銀行の自由裁量に任されている。[安田原三]
『山口茂著『金融論入門』(1958・青林書院新社) ▽川口弘・川合一郎編『金融論講座 第1巻』(1964・有斐閣) ▽黒田晁生著『金融改革への指針』(1997・東洋経済新報社) ▽鐘ヶ江毅著『新しい日本銀行』(1999・勁草書房)』

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