ブラザビル(読み)ぶらざびる(英語表記)Brazzaville

デジタル大辞泉 「ブラザビル」の意味・読み・例文・類語

ブラザビル(Brazzaville)

コンゴ共和国の首都。コンゴ川下流西岸にある河港都市。対岸にコンゴ民主共和国の首都キンシャサ位置する。1880年、フランスの探検家ド=ブラザが建設。中継貿易基地として発展した。人口、行政区136万(2009)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ブラザビル」の意味・読み・例文・類語

ブラザビル

(Brazzaville) コンゴ共和国の首都。スタンリ湖北岸に位置し、対岸のキンシャサ(コンゴ民主共和国の首都)とともにコンゴ地方の政治経済交通中心地

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラザビル」の意味・わかりやすい解説

ブラザビル
ぶらざびる
Brazzaville

アフリカ中西部、コンゴ共和国の首都。コンゴ川(ザイール川)のスタンリープール(湖沼地帯)下流右岸に位置し、対岸のコンゴ民主共和国(旧ザイール)の首都キンシャサと向かい合う。人口118万7000(1999推計)で、同国の人口の約40%が集中する。コンゴの政治、経済、文化の中心地で、内陸水運と大西洋岸への道路、鉄道との接続点にある重要な河港都市でもある。1880年にフランスの探検家ド・ブラザによって建設されたのでこの名があり、フランスの内陸進出の基地として栄えた。1910年、コンゴ、中央アフリカガボンなどの植民地の連合体、フランス領赤道アフリカが形成されると、その首都に定められた。コンゴ川はブラザビルより下流部では急流のため航行できないが、34年、大西洋岸のポアント・ノアールとを結ぶ鉄道が完成した。一方、コンゴ川と支流ウバンギ川を利用して中央アフリカ、チャド方面に至る水運も開かれて、ブラザビルは中継貿易の基地として発展した。60年の独立を経て、近年のブラザビルの都市発達は急速で、64年に14万5000だった人口は約30年間で6倍以上に増加した。住民は、バコンゴ人や地元のテケ人が多いが、全国からの流入者も多い。言語公用語のフランス語のほかリンガラ語、コンゴ語、ラリー語が話される。繊維、製紙、ビール醸造、製粉、せっけん、たばこなどの工場がある。1972年創立のマリアン・ヌグアビ大学も所在する。

[赤阪 賢]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ブラザビル」の意味・わかりやすい解説

ブラザビル
Brazzaville

アフリカ中西部,コンゴ共和国の首都。都市域人口108万(2003)。コンゴ川下流,河口から約500km上流のスタンリー(マレボ)・プールと呼ばれる,川幅の急に広がった部分に臨み,コンゴ民主共和国(旧,ザイール)の首都キンシャサの対岸にある。コンゴ川はここから下流は滝や急流で航行できないため,コンゴ川やウバンギ川の河川航路と,大西洋岸への鉄道や道路との接点であり,国際空港もある。商工業の中心で,主要産業は飲料品加工,製革,マッチ,繊維などの軽工業であり,建設資材,鉄道修理,機械製作の工場もある。町は1880年にフランス人探検家サボルニャン・ド・ブラザによって創設されたので,その名がある。1910年から58年までフランス領赤道アフリカ(現在のコンゴ共和国,中央アフリカ共和国,ガボン,チャドの4国の地域)の主都であった。第2次世界大戦中はド・ゴール派の自由フランスの活動拠点となった。都市としての膨張は1945年以降であり,58年フランス共同体内の自治国としてコンゴ共和国が成立してからはこの国だけの主都となった。60年に独立したコンゴ共和国の首都として,急進的な社会主義的政治活動の拠点となったため,対岸コンゴ民主共和国のキンシャサと対立している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラザビル」の意味・わかりやすい解説

ブラザビル
Brazzaville

コンゴ共和国の首都。同国南東部,コンゴ川下流のプールマレボ北西岸に位置。川を隔ててコンゴ民主共和国のキンシャサに相対する。1883年にピエール・ブラザが,フランスの内陸進出の基地として建設,フランス領赤道アフリカの首都が置かれた。第2次世界大戦中は自由フランス軍の基地,1944年にはフランスの新しい植民地政策を決める「ブラザビル会議」の開催地となり,アフリカ人の権利の拡大を約束するシャルル・ドゴール将軍の「ブラザビル宣言」が発せられた。1958年からフランス領赤道アフリカ中央コンゴの首都ポアントノアールに代わり首都となる。アフリカ大陸中西部の行政,経済の中心地をなす。川に沿った低地の商工業地域,高台の官庁街,新開の住宅地がある。農畜産物の集散,綿織物のほか,マッチ,建築資材の製造が主産業。人口 140万8150(2010)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ブラザビル」の意味・わかりやすい解説

ブラザビル

コンゴ共和国の首都。コンゴ川河岸に位置,コンゴ民主共和国のキンシャサと相対する。政治・経済の中心で,大西洋岸のポアント・ノアールと鉄道で結ばれ,空港がある。1880年フランスのブラザが創設。1910年−1958年フランス領赤道アフリカの主都。第2次大戦中は自由フランスの拠点であった。137万3382人(2007)。
→関連項目コンゴ共和国ポアント・ノアール

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のブラザビルの言及

【コンゴ共和国】より

…正式名称=コンゴ共和国République du Congo面積=34万2000km2人口(1996)=266万人首都=ブラザビルBrazzaville(日本との時差=-8時間)主要言語=フランス語,リンガラ語,コンゴ語通貨=CFA(中部アフリカ金融協力体)フランFranc de la Coopération Financière en Afrique Centrale中部アフリカの共和国。コンゴ川(ザイール川)の西岸に位置し,南西部が大西洋に面した南北に長い国土をもつ。…

※「ブラザビル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android